中川昭一さん、いじめ苦に自殺予告の子供に「命を大切にして」

2009.10.09

 中川昭一元財務・金融担当相(享年56)の葬儀・告別式は9日午前、同じ善福寺で、自民党と中川家の合同葬として営まれた。政界や官界、財界だけでなく、中川氏の早過ぎる死を悼む一般の人々も多数、焼香に訪れた。

【「純粋で優しい男だった」】

 「保守派の旗手」と呼ばれ、農水相や経産相、政務調査会長などを歴任。切れ味鋭い中川節を披露する半面、真面目でガラスのように繊細な精神の持ち主でもあった。ストレスや不眠に悩まされたときは、アルコールや睡眠薬などに頼ることがあり、体調不良や失敗談も多かった。

 今年2月、ローマでのG7閉幕後の「もうろう会見」では、国内外の批判を浴びて辞任。8月の総選挙では落選した。

 同じ昭和28(1953)年生まれで、「28(にんぱち)会」を作っていた船田元・元経企庁長官(55)は「豪放磊落とは違う。ナタかカミソリかといったら、カミソリ。でも、純粋で優しい男だった。要職が続き、プレッシャーにさらされる中で(酒や睡眠薬に)頼らざるを得なかったのかもしれない。彼は急ぎ過ぎた」と語った。

 夕刊フジでは2006年からコラム「言わせてもらおう」を連載。北朝鮮による拉致問題について「罪もない日本人が北の国家機関によって拉致され、たった一度の人生を無茶苦茶にされた」と抗議。侍ジャパンがワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を成し遂げた直後には「彼らは日本人に元気と活力を与えてくれた」とたたえた。

 勉強家であり情報通でもあった。昨年8月に食事した際、「日本経済は大変なことになる。間に合わないかもしれない」と、翌月炸裂するリーマン・ショックを記者に示唆してくれた。

 死因については循環器系の異常が指摘されているが、総選挙落選から35日後という状況に加え、父、中川一郎氏(享年57)が自殺していることもあり、「怪死」「自殺か」との報道もある。

 ただ、中川氏はかつて、いじめを理由に自殺予告の手紙を送った子供に対し、本紙の紙面を通して「どうか早まらないでほしい。人生には辛いこともあるが、楽しいこともたくさんある。人間は自分一人で生きているわけじゃない。お父さん、お母さん、周囲の人々に生かされている。命を大切にしてほしい」とのメッセージを送っている。

 個人事務所を移転し、再起を目指して本格的活動を始めようとした矢先でもあった。秘書にも「(次の選挙に向けて)よろしく頼むぞ」と伝えていた。青年のように真っすぐな政治家だった。残念でならない。(矢野将史)

 

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