凍結、縮小容赦なし! 仕分け直撃、暴落18銘柄リスト

2009.11.26


廃止、縮減を宣告される事業が相次いでいる事業仕分け。株式市場には「仕分けショック」で下落する銘柄も(写真はコラージュ)【拡大】

 政府担当者と役所関係者が連日、丁々発止のやり取りを繰り広げている「事業仕分け」。時代劇の裁きのように事業凍結や予算縮小が告げられているが、そうした事業に携わっている企業にとっては、景気が低迷していることもあって、まさに死活問題。株式市場でもこのところ「仕分けショック」による株価下落が目立っている。

 「世界一でなければいけないんですか。2位ではダメなんですか」−。仕分け人の蓮舫参院議員(民主党)が目をつり上げて問いつめるシーンが話題となった「次世代スーパーコンピューター」の開発(2010年度予算概算要求で約268億円)。

 仕分けでは「限りなく予算計上見送りに近い縮減」を求められたため、開発に携わる富士通の株価が急落した。菅直人副総理兼国家戦略担当相がその後、要求通りの予算を維持する考えを示し、下落率は約4.8%にとどまっているが、仙谷由人行政刷新担当相は大幅削減という意見も尊重しつつ慎重に検討するとしており、結論がどうなるかは不透明だ。

 科学技術では、官民が共同で行っている「GXロケット」の開発(同58億円)が「廃止」と仕分けされ、民間から参加しているIHIの株価が14.7%下落した。

 さらに、市役所や図書館といった地域の公共施設を光ファイバーなどでつなぐ「地域イントラネット基盤施設整備事業」(同10億円)も「廃止」と宣告された。光ファイバーなどを手掛ける古河電工が17.1%下落したほか、フジクラ、沖電線などの株式にも連想売りが膨らんだ。

 仕分けでは、医薬品業界にもメスが入った。公的保険などが医療機関に支払う診療報酬(同9兆3612億円)のうち、薬価について一部引き下げる方針が示され、日本新薬株や小野薬品工業株などが売られた。

 また、漢方薬やうがい薬、湿布薬などの市販品類似薬を保険適応から外すという方針も打ち出された。適応外とする範囲については今後議論することになるが、医療用漢方製剤に注力しているツムラの株価が11.3%も下落している。

 ICカード1枚で年金手帳、健康・介護両保険証の役割を果たす「社会保障カード」導入に向けた厚生労働省所管の関連経費(同7億4800万円)も予算計上見送りを決定。電子カルテシステムの開発販売を行うソフトウェアサービスの株価は18.4%も下げた。

 土木・建設関連では、港湾整備事業(同1263億円)を10%程度縮減することに。これを受けて、大成建設、大林組、清水建設、鹿島といったスーパーゼネコンの株価が下落。大末建設は21.1%も下げている。

 「港湾事業の削減にとどまらず、公共事業の削減がさらに加速するとみられていることに加え、不況で民間の建設需要が減少していることも深刻に受け止められている」(市場関係者)

 「仕分け直撃銘柄」にとどまらず、日本株全体が鳩山政権の政策運営に対する不安などから下落基調となっている。

 ある外資系証券エコノミストは「事業仕分けにも一定の意味はあるが、デフレ対策や成長戦略を打ち出せないままでは投資家は日本の株式市場に戻ってこない」と指摘している。

■事業仕分け 事業の必要性や予算額の適否を個々に精査し、行財政改革につなげる手法。行政刷新会議の加藤秀樹事務局長が代表を務める政策シンクタンク「構想日本」が2002年から取り組んできた。11日からの行政刷新会議の作業では、10年度予算概算要求に関し各省担当者が事業内容などを説明。与党議員と民間有識者からなる10人前後の「仕分け人」が約1時間の質疑を経て「廃止」「地方移管」「予算削減」などの判定を、原則として多数決で下す。構想日本の取り組みでは、予算を約1割圧縮させた地方自治体もある。