【「みんなの党」大研究】大躍進でキャスチングボート 政界再編巻き起こすか

2010.07.13


参院選で10議席を獲得し、ピースサインで喜ぶみんなの党の渡辺喜美代表=12日未明【拡大】

 参院選は、大方の事前予想どおり与党は過半数に届かなかった。当選者は民主党44、国民新党0、自民党51、公明党9、共産党3、新党改革1、社民党2、たちあがれ日本1、そしてみんなの党が10議席を獲得した。比例の得票順でみても、民主、自民、みんなとなって、みんなは大躍進した。

 非改選議席と合わせると民主106、国民3、自民84、公明19、共産6、改革2、社民4、た日3、みんな11、幸福1、無所属3となった。与党系は110となり、民主党は「菅敗」だ。

 こうした情勢になると、どのように組み合わせても、過半数には容易にならない。公明もみんなも、民主との連立は拒否している。ということは、菅直人首相も、敗戦の弁を述べた際、丁寧な国会運営を行うといったが、法案ごとに是々非々が問われることになる。

 いずれにしても、今マスコミでいわれるような単純な数合わせによる連立や協力関係はできにくく、キャスチングボートについては、みんなが握っている。

 たとえば民主と国民が連立で合意している郵政法案は、自民、公明、改革、た日、みんなは反対であるので、成立は容易でない。

 一方、参院選で民主党が敗北する大きな要因となった消費税については、民主はまず消費税協議法案のような手続き法を作って、自民を巻き込む形になるだろう。ただ、消費税は今回の民主党敗戦の原因であるので、小沢系議員がどう出るのか予測がつかない。

 今回の参院選で、みんなは比例区7人、選挙区3人の計10人が当選。これで、非改選1人を加えて11人になった。これは非常に大きな意味合いを持つ。参議院で法案提出できるのは、提案者の他に10人が必要(国会法第56条)なので。みんなの党はこのハードルをクリアしたことになる。

 従来の少数政党とは異なり、みんなは自ら法案を作成する能力がある。このため、参院での法案提案の11人をクリアしたので、国会で対案をドンドン出してくるだろう。この場合、与党がみんなの案をのめば、その場限りで協力関係になるし、のまなければ、国会論戦をすることになる。この意味で、みんなによって国会の光景ががらりと変わるだろう。

 こうした「対案攻勢」は、民主にも自民にも亀裂を生じさせる可能性があり、新たな政界再編のスタイルになるにちがいない。

 具体的には、成長戦略の前提になるデフレ克服法案や公務員改革法案などをみんなは仕掛けてくるだろう。この意味で、国会のねじれは、みんなが経済成長を推進する法案を出すチャンスにもなる。

 そうなれば、マーケット関係者から評価の高いみんなの政策の実現可能性が高まり、ねじれ現象はマーケットにとって悪材料が普通なのだが、逆に好材料にもなるかもしれない。

(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)

 

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