【饗庭直道 いざ!幸福維新】日本経済脅かす中台併合

2010.08.27

 6月29日、中国と台湾の間で、経済協力枠組み協定(ECFA)が締結された。中台間の関税を数百項目にわたって撤廃する内容で、これにより両政府の経済的一体化は加速する。

 この点、中国政府の姿勢で心配なのが「台湾は中国の一部」という、かねてからの主張だ。なぜなら、台湾付近を通る日本の南西シーレーンは、日本の石油タンカーの主要ルートであるため、台湾が本当に中国に併合されたら航行が制限され、日本経済や国民生活が脅かされるからである。

 中国政府は2012年までには台湾を併合する国家計画を立てている、との情報もある(袁紅冰著『暴かれた中国の極秘戦略』など)。

 たしかに、台湾で民進党から国民党(馬英九総統)に政権交代して、わずか2年後に、ECFAが締結された点をみても、併合の一環として、まずは経済的な一体化を急いだように見えなくもない。

 そこで、中台の未来について台湾の人々はどう考えているのかを知るべく、台湾に飛んだ。現地では、「老台北」と呼ばれる地元の名士や台北・台中の市民、企業家、前政権の民進党幹部から話を伺った。

 結論からいえば、台湾の危機を力説されていた「老台北」や独立派が多い台中市民を除き、中国に警戒はしつつも、やや「安逸な空気」が流れていた。

 まず「独自の軍と警察をもつ『香港方式』をとれば、台湾でも一国二制度を受け入れてよい」という意見が市民の間では意外と多かった。

 しかし、香港は返還から50年間の現状維持を中国が認めるといいつつ、10年以上経過しても公約の普通選挙は実現せず、政治的自由は乏しい。

 また「台湾は事実上独立しているから、あえて独立を宣言する必要はない」と、独立建国を党是とする民進党の前秘書長(幹事長)の林佳龍氏は語る。

 しかし「中華民国」時代の憲法改正なくしては国家としての「主権」基盤が法的に確立したといえず、政治的にも、中国共産主義への民主主義の挑戦という強い意志を表明できないのではないか。

 ある企業家は「日本が弱すぎるから中国を頼るしかない」と漏らした。たしかにそうかもしれない。まずは日台で自由貿易協定(FTA)を結び、安保上も最大限の協力を試み、いずれ「日台共同体」を実現させてはどうか。「東アジア共同体」より断然、国益に適う。(あえば・じきどう=幸福実現党広報本部長代理)

 

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