民主党政権は末期症状

2011.06.15

 東日本大震災で日本が大混乱していた今年3月、国際エネルギー機関(IEA)の次期事務局長選挙で、現職の田中伸男事務局長が落選した。彼は、私が首相時代の2007年、米国の協力を得て、事務局長に初当選した。日本の国益にとって重要なポストだった。落選の背景は「米国の支持を失った」ことだ。

 民主党政権の1年数カ月で、日米関係が傷ついた具体的な実害といえる。震災後の「トモダチ作戦」は同盟関係にある日本国民への友情の証しだが、IEA選挙での対応は、普天間移設の約束などが反故にされたため、米国は「民主党政権は信用できない」というメッセージを送ってきたのだ。

 そんな民主党政権が、末期的症状を露呈している。

 鳩山由紀夫前首相は、現職の菅直人首相に対して、「ペテン師」「男として、人間として、あるまじき態度」などと公然と批判。民主党出身の西岡武夫参院議長も「菅首相は退陣すべきだ」と何度も発言している。

 前代未聞の異常事態が続いているのは、一国のリーダーとして菅首相の姿勢が異常であるからに他ならない。「早期退陣」を想像させる言葉で同僚議員をだまし、地位にしがみつこうとする態度はあまりにも見苦しい。被災者支援や被災地復興より、自身の延命が最優先されている。

 菅首相を支えた面々もおかしい。

 本来、連帯責任を負うべき立場なのに、枝野幸男官房長官や仙谷由人官房副長官、岡田克也幹事長らが事実上の退陣要求を行い、「ポスト菅」選びで主導権を握ろうとしている。どうも民主党政局には陰湿さがつきまとう。かつての過激派のセクト間抗争を想起させる。

 報道では、わが党と民主党の大連立構想が取り沙汰されているが、難しい。野党勢力が激減し、大政翼賛会的な政治になり、国会での緊張した議論はなくなる。民主党が分裂すれば、大混乱を避けるために可能性はあったが、現状では、そういう動きはない。自民党は被災地復興には積極的に協力しながら、民主党政治の問題点を提起し続け、次期衆院選で国民の信を問うべきだろう。

 こうしたなか、中国海軍の艦艇11隻が、沖縄本島と宮古島の間を通過した。民主党政権になって2回目であり、同党が「日米同盟の軽視」という間違ったメッセージを出し続けた結果といえる。中国はこうした軍事的行動の実績を重ねて、日本近海での影響力拡大を狙っている。民主党政権がもたらした国政・外交安保上の危機について、国民の方々は十分認識してほしい。(自民党衆院議員)

 

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