インド首相が明かした中国の脅威…日印の関係強化を

2011.10.19


安倍氏(左)とシン首相は、日印両国の関係深化について語り合った【拡大】

 先月、インドを訪問した。同国で最も権威のあるシンクタンク「インド世界問題評議会」と、ジャーナリストの櫻井よしこさんが理事長を務める「国家基本問題研究所」との合同会議に出席し、基調講演を行ってきた。

 講演のタイトルは「海で出会う2つの民主主義」。アジアの民主主義大国である日本とインドが関係を深化させ、太平洋とインド洋を「自由の海」「繁栄の海」として結合させることは、両国の発展だけでなく、地域の平和と安定のために絶対必要だと訴えてきた。

 日本とインドは、自由と民主主義、基本的人権、法の支配など、共有する部分が多い。インドは将来、人口16億人を超える。高度経済成長も続けている。日本が「価値観外交」を進めるに当たって、重大な意味を持つ国の1つだ。

 とても親日的な国でもある。毎年8月の広島・長崎原爆投下の日には、国会で黙祷をささげてくれている。「親しみを感じる国」でも日本は長らく1位を続けている。この親近感は、インド独立の英雄であるチャンドラ・ボースを、日本が支援したことが大きい。

 祖父・岸信介が1957年、日本の首相として初めてインドを訪問した際、当時のネール首相は官邸前の大群衆に向かって、「私の隣の人物は、ロシアを打ち砕き、私たちに英国からの独立を勝ち取る勇気を与えてくれた偉大な国・日本の首相だ」と紹介。祖父は万雷の拍手を浴びたという。

 私にとってインド外交はライフワーク。首相時代にも訪印している。当時、シン首相と「戦略的グローバルパートナーシップ」の構築で合意し、共同声明に安全保障協力も入れた。以後、両国の防衛相と幕僚長クラスの交流が始まったが、これは現在でも続いている。

 シン首相は今回、私と自民党の衛藤晟一参院議員、下村博文衆院議員、加藤勝信衆院議員、山谷えり子参院議員、民主党の長尾敬衆院議員を昼食会に招待してくれた。

 複数の閣僚らも列席するなか、シン首相から、中国の認識について質問があった。私の意見を聞き、シン首相は「中国の装備はインドの脅威になりつつある」と語り、日本との連携の重要性について説かれた。

 南シナ海や東シナ海、インド洋での活動を活発化させている中国を牽制し、国際的な協調体制に引き入れるためにも、日印両国の協力関係を強化することは重要だ。

 日印両国は来年、国交樹立60周年を迎える。このため、私はインド海軍の日本親善訪問を提案してきた。その時、日本の海上自衛隊とインド海軍、場合によって米海軍も参加して合同訓練ができれば、アジアの平和と安定に寄与すると思う。(自民党衆院議員)

 

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