慰安婦問題に垣間見える民主外交の敗北

2011.12.21

 日韓首脳会談で、李明博大統領が慰安婦問題について「優先的に解決すべきだ」といった発言があった。その直前、ソウルの日本大使館前に「慰安婦の碑」が建てられた。今回は、この問題を取り上げたい。

 いわゆる「従軍慰安婦の強制連行」という話は、元軍人の吉田清治氏の証言を、1991年に朝日新聞が取り上げて、日韓間の問題となった。その後、現代史家の秦郁彦教授が済州島に行って、一連の証言がでっち上げであると確認。今や、強制連行については客観的証拠や資料は一切なく、吉田氏は詐話師とみられている。

 そもそも、両国の請求権問題は、1965年の日韓基本条約で「完全かつ最終的に」解決されている。どうして、四十数年もたって、また蒸し返されているのか。

 背景には、民主党政権の外交的敗北がある。

 菅直人政権当時、仙谷由人官房長官の主導で、日韓併合100年に合わせた首相謝罪談話を発表し、朝鮮半島由来の図書「朝鮮王室儀軌」を韓国に引き渡した。国家間の問題は、条約をもって解決するのが国際社会の知恵であるが、民主党政権はそうした外交認識がなく、浮薄な善意で対応したのだ。

 善意は見事に裏切られ、韓国は歴史問題の要求をさらに強めたのだ。前原誠司政調会長が今年10月の訪韓時に、慰安婦問題について「人道的観点から考える余地はないか、お互いに議論したい」と述べたことも、韓国側を助長させたようだ。

 冒頭で触れた、大使館前の「慰安婦の碑」建立などは、自国の法律を無視して日本の尊厳を著しく傷つける暴挙といえる。

 こうしたなか、日本の排他的経済水域(EEZ)内で、韓国のはえ縄漁船が違法行為を繰り返していることが問題となっている。

 これまで、日韓はえ縄漁業者協議のトラブル防止策として、わが国のEEZ内でも、韓国漁船のルールに則った操業は認めてきた。ところが、韓国側は今年3月、一方的に協議の打ち切りを通告してきた。そして、今月に入り、韓国のはえ縄漁船十数隻が、わが国のEEZ内の漁場を占拠しているのだという。

 日本のはえ縄漁船は、大きなトラブルになる可能性があるため、操業できない状況という。こんなことが許されていいのか。韓国側が約束を破っている以上、わが国のEEZ内での操業禁止措置は当然ではないか。どうして、民主党政権は放置しているのか。

 日本は最近、他国から侮りを受け続けている。このすべては、民主党政権の外交敗北に起因している。(自民党衆院議員)

 

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