民主党政権下で教科書が大変なことになっている!

2012.05.09

 民主党政権が誕生して3年近く、さまざまな問題点が指摘されている。今日は、教育分野でどんなことが起こっているか、紹介したい。

 約60年ぶりとなった、安倍政権下での教育基本法改正では、教育の目標に「豊かな情操と道徳心を培う」や「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」「伝統と文化の尊重、わが国と郷土を愛する」などと記した。

 この方針に基づき、2年前に行われた小学校の教科書検定はかなり改善されたが、今年の高校の教科書検定では、いくつかの教科書会社が「先祖返り」を始めている。

 例えば、慰安婦問題について。

 日本政府の正式見解は「政府が発見した資料には、軍や官憲による、いわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらない」というもので、私も首相時代に国会答弁した。中学校の教科書からは、いわゆる「従軍慰安婦」という記述は姿を消したが、今年、高校の教科書で「多数の女性を、日本軍兵士の性の相手である慰安婦として動員した」(実教出版)、「多数の女性が『慰安婦』としてかりだされた」(東京書籍)などと記載された。

 自民党文教部会で、私が「どうしてこういう記述が残ったのか?」と問いただしたところ、文科省の担当者は「『動員した』は強制性を意味しない」とか「主語は必ずしも日本政府や軍ではない」と答えた。こんな詭弁を平気でいう文科省にはあきれてものが言えない。

 日本の領土についても、おかしい。

 沖縄・尖閣諸島も、島根県の竹島(韓国が不法占拠中)も、北方領土(ロシアが不法占拠中)も、日本政府としては「日本固有の領土」という見解であり、これは歴史的事実である。ところが、帝国書院は当初、「島根県の竹島、沖縄県の尖閣諸島については、領有権をめぐり韓国や中国との間で主張が対立している」と書いてあったのだ。これは、さすがに修正されたが、一体、どんな人物が教科書を執筆しているのか。

 日本人拉致事件についても異様な記述がある。

 山川出版の日本史教科書では「日朝間では日本人拉致問題が障害となって政治的交渉は頓挫している」との記載がある。これは完全に、北朝鮮や朝鮮総連の主張と一致している。拉致事件が許しがたい犯罪であり、主権・人権侵害であることが、まったく触れられていない。文科省の検定意見が付かなかったことが信じられない思いだ。

 民主党の鳩山由紀夫元首相、菅直人前首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者親族が関係する政治団体に多額の政治献金をしていたことが発覚しているが、こうした同党の姿勢が教科書検定に影響しているとすれば看過できない。

 東日本大震災の被災地では、自衛隊員による救出・復旧活動が高く評価されたが、東北地方では「自衛隊は憲法違反」との記述がある教科書が100%採択されている。この事実を、被災者の方々はどう思うだろう。

 文科省や教育委員会が、改正教育基本法の精神を生かす役割を果たせないなら、新たな立法措置を考えなければならない。(自民党衆院議員)

 

注目情報(PR)