【安倍自民大勝利…永田町時限爆弾】アベノミクス支持者の卑劣な予防線

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2013.07.24

 アベノミクスの応援団長である浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)が「消費税早期引き上げに疑念」を示したり、同じ内閣参与で実務的ブレーンの筆頭といわれる本田悦朗氏が「1%ずつ徐々に上げては」といっているが、卑劣である。

 なぜなら、消費税の引き上げを予定通りに実施することは、余程のことがない限り、動かせない。それを誰より知っている彼らが反対論を唱えることは、アベノミクスが思わしい結果を出せなかったときに、責任を問われること回避するための“高等作戦”とみられても仕方あるまい。

 消費税のいかんにかかわらず、アベノミクス失速の可能性はある。その引き上げか中止かどちらが、失速のリスクを高めるかも何とも言えない。にもかかわらず「引き上げれば経済が失速する」と主張するのは、「安倍政権の経済政策が自分たちの意図と違う形で行われた」と強弁し、「その失敗は経済理論の間違いでなく、消費税引き上げが理由だ」と言い訳にしたいがためでないか。

 それが、浜田氏や本田氏など「アベノミクス支持・消費税引き上げ反対論者」が張ろうとしている予防線なのだろう。

 そもそも、消費税引き上げは景気が非常に悪い場合にのみ延期できるというのが3党合意や法律の趣旨だ。改めて白紙で検討して上げないことにするのは、法律上も許されないのではないか。

 また、サミットやG7(主要7カ国)での財政再建の約束からも引き上げは国際公約でもある。約束はしたが、気が変わったということを認めたら、ギリシャのような国に国際社会はいうことを聞かせられなくなるから、許すはずもない。

 市場も、日本政府を信用しなくなり、金利の急上昇など不測の事態を生じさせる。

 サミットについて海外の報道では、アベノミクスの成功を期待するが、財政再建のプログラムをしっかり実施しろと必ず並列になっていた。G7での麻生太郎財務相も、ほかの自民党幹部も、私と同じく「余程のことがない限りは引き上げするのが当然」という発言を繰り返している。

 そうしたなかで、外野席のリフレ論者が何を言おうが見識の問題だが、アベノミクスの理論的支柱がこれでは、「アベノミクス破綻に備えて荷物をもまとめて夜逃げの準備をしている」といわれても仕方ない。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に「地方維新vs土着権力」(文春新書)、「本当は誤解だらけの『日本近現代史』」(ソフトバンク新書)など多数。

 

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