【永田町全真相】安倍政権のアキレス腱「TPP」 痛み分けで差し込まれる日本

2013.08.11

 「まったく情報が漏れてきません。守秘義務がキツくても、100人もいれば、どこからか話が入るんですけどね」

 経産省OBが話すのはTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の進ちょく状況だ。

 7月23日〜25日、マレーシアで正式交渉に初めて参加した日本。今月22日からは、ブルネイで次の会合に臨む。マレーシアには交渉官ら政府チーム100人が出向き、1000ページ超の交渉内容の資料を読み込むなど対応に当たった。

 今月4日、100人が埼玉県内の公務員研修所に泊まり込み、再度資料を読み直したという。

 「読み始めると、知らなかった内容が山ほど出てきたようだ。これまで集めた情報の中には、いわゆるガセも多かったと。『途中から入るハンディは相当だ』と後輩は言っていた」(同OB)

 情報が漏れてこないのは「箝口(かんこう)令が敷かれている」か、「農産品などの例外品目の交渉が難しい」かのどちらかだが、OBは「後者の印象だ」という。

 安倍晋三首相は「一歩も引かない」と、コメなど農産品5品目については譲らない姿勢を示しているが、今後の交渉はどうなりそうか。

 「TPPは11カ国が相手だが、交渉の最大のヤマ、言い換えれば最大の敵は米国だ」

 そう話すのは、自民党政調担当幹部だ。

 「米国の通商交渉は恐ろしいほどしたたか。あらゆるものを絡めてくる。かんぽ生命保険と、米医療保険最大手のアフラックの提携強化もそうだ。いま二国間協議をしている非関税障壁問題でも自動車の緩和など要求してくる。つまりバーターだ。TPPとは別の話なのに、農産品を聖域にしたいなら他で譲れと。今後もどんどん追い込まれる可能性がある」

 いまさら、「TPPから降りるわけにはいかない」(同幹部)中で、「聖域を守り、他のバーターもそれなりにはね返すといった対米姿勢を貫けるかどうか」(同)は、安倍首相の政治決断にかかっている。

 一方で、自民党のベテラン議員は。「最後は痛み分けの数字ゲームになる」可能性を示唆する。

 「今後10年とか12年とか目標年度を決め、そこに向かって段階的に関税を引き下げていく。農水省では、そうしたシミュレーションに着手しているという話を聞いた」

 TPPに懐疑的な農業、医療、知財などの関係団体は、交渉の行方次第では安倍政権への批判勢力に変貌する。TPPは政権のアキレス腱だ。(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫)

 

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