成果を挙げつつある安倍首相の外交戦略 高崎経済大学・八木秀次教授

2014.01.07


安倍晋三首相【拡大】

 安倍晋三首相は1月中旬にエチオピア、モザンビーク、コートジボワールのアフリカ3カ国を訪問する。直前に中東のオマーンにも立ち寄る。昨年6月には横浜で「アフリカ開発会議」が開催され、首相は39人の首脳級参加者すべてと会談しているが、アフリカ訪問は初めてだ。

 2013年、安倍首相は25カ国を訪問した。旺盛な外遊だ。目的は日本の経済成長のためのトップ・セールスと、「地球儀外交」とも「価値観外交」とも呼ばれる外交戦略を展開するためだ。

 「自由」「民主主義」「法の支配」「基本的人権」「市場経済」という普遍的価値を共有できる諸国との連携を深めると強調している。これは1つには、わが国がこれらの価値を堅持することを国際社会にアピールすることが狙いだ。

 安倍首相については政権発足前から右翼のナショナリストや軍国主義者、戦前回帰という根拠のないレッテルが内外で貼られてきた。が、首相自身も政権中枢もそのような価値観の持ち主はいない。首相自身は自由主義者だ。そして、その政権も自由などの普遍的価値を堅持した「サンフランシスコ体制」の一員であり続けることをアピールするのが狙いだ。

 もう1つの狙いは、同じことだが、中国を意識してのものだ。中国は露骨な領土拡張欲を見せるなどアジア地域の脅威となっている。しかし、逆に安倍政権に軍国主義などのレッテルを貼る。日本は過去を反省していないなどと国際社会に喧伝し、各国に第2次大戦直後の国際秩序である「ポツダム体制」に戻ろうと呼び掛けている。

 日米を分断し、日本を孤立させるのが目的だ。韓国は、中国の戦略に乗せられている。中国の戦略から各国を解き放つためにも、日本は自由などの普遍的価値を堅持する国家と強調する必要がある。

 中国は当然のことながら、自由などの普遍的価値に立脚しない体制だ。それゆえ普遍的価値を強調し、価値を共有できる国家の数を増やし、関係を深めることは中国への牽制にもなる。日本への理解国を増やす。それが3つ目の目的だ。

 昨年、安倍首相が力を入れたのは東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への訪問だ。10カ国すべてを訪問し、12月には首脳を東京に招致して特別会議を開催した。集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈変更にも理解を得た。

 安倍首相の外交戦略は成果を挙げつつある。今年もアフリカを手始めに旺盛な外遊を期待したい。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。

 

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