オバマ米大統領が23日から国賓として来日する。2009年11月の初来日の際には、初の黒人大統領を迎えるとあって、日本国内は熱狂的な歓迎ムードだったが、今回の盛り上がりは今ひとつ。オバマ氏もミシェル夫人を同伴せず、赤坂の迎賓館に宿泊しないなど、異例の対応を取っている。5年前とは様相が一変している。
「今回は冷静ですね。特段意識して何かする雰囲気ではありません」
福井県小浜市の秘書課担当者はこう語った。同市は名前が同じ「おばま」であるため、08年の米大統領選中に、地元有志が「オバマ候補を勝手に応援する会」を結成。翌年の初来日時には、松崎晃治市長がオバマ氏の講演会場に駆け付ける入れ込みようだった。
ところが今回、オバマ氏滞在中の24日夜、松崎市長が別件で上京するが「オバマ大統領の日程に合わせて市長が動くことはない」(秘書課)。
冷めた雰囲気が漂うのは小浜市だけではない。
初来日の時は、オバマ氏に似ているとして、お笑い芸人のノッチが「Yes we can」のギャグで再ブレークしたり、オバマ氏が来日直前に「神戸ビーフとマグロが食べたい」と希望していたことが話題となったが、3度目のためか、メディアも実に静かだ。
公言していたシリアへの武力行使を回避したり、ウクライナ問題でロシアに有効な手が打てなかったりと、オバマ氏の存在感は低下している。同盟国の中には「もはや米国を頼れるか不確かだ」(バンダル・サウジアラビア王子)という声まで上がり始めている。