憂国の情で国産ジェットエンジンに取り組んだ土光敏夫氏 (1/2ページ)

2014.07.08


国産ジェットエンジンに情熱をそそいだ土光敏夫氏【拡大】

 終戦間際、米軍に接収され、あるいは破壊され、抹殺されたとされる国産ジェットエンジン。

 『橘花(きっか)』での試験飛行成功で、その存在が目立っていた「ネ20」は、逃れようがなかったが、まだ世に出ていなかった「ネ130」は信州の山の中でひたすら日本の独立を待ち、再びわが国の原動力となることを待っていた…。そんなドラマがあったのかどうかはもはや誰にも分からないが、とにかく当時、深く関わった土光敏夫氏がジェットエンジン事業に強い思い入れを持っていたことは確かだ。

 戦後、7年の航空禁止令が解け、すっかり途切れたかのように見えたジェットエンジン製造に乗り出すことを決めたのが、後に「めざしの土光さん」と呼ばれた同氏だと聞いて、意外に思われた向きもあるかもしれない。土光氏といえば、合理化や質素倹約というイメージがあるが、戦後、ジェットエンジン事業に乗り出した際のキャラクターは全く違う印象だ。

 「少なく見積もっても、向こう10年は赤字になるだろう」

 名だたる各社がそう見通し、次々に断念した。また、欧米ではるかに進んでいる技術であり、はなから負けている日本の一企業が、損失覚悟で乗り出すことを嘲笑する者も少なくなかった。そうした中でも、同氏の信念は決して揺るがなかったのである。

 そんな劣勢のケンカに、あの土光さんが打って出たのはなぜか。それは、その人後に落ちない憂国の情によるものと言って過言ではないだろう。

 

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