【山本雄史のだんじり正論】マスゲームと高麗人参酒で“接待”攻勢 金丸訪朝団 24年目の真実 (3/4ページ)

2014.08.11

 当時、運輸省の国際航空課長として訪朝団に同行した笹川平和財団の羽生次郎会長は「今思うと、訪朝団全体が(誘拐や監禁された被害者が、犯人に好意を持ったり、同情したりする)ストックホルム症候群のような状況だった」と振り返る。

 平壌から遠く離れた、通信手段がほとんどない環境に連れていかれ、事実上の“監禁”状態にあった一行は疲れ果てて眠りにつく。冷静に考えてみると、この時点ですでに一行は北朝鮮の術中にはまっている感がある。そして翌朝、一行はついに金主席と面会することになる。

 首に大きな丸いこぶがあり、声は田中角栄元首相を彷彿(ほうふつ)とさせるダミ声だった。78歳ながらも血色はよく、180センチほどある大きな身体。東アジアの独裁国家の最高権力者の迫力は満点だった。

 国会議員ら一行は昼食会(午餐会)に招かれた。金主席は、朝鮮料理が並ぶ円卓を回っていく。羽生氏はその時の様子をよく覚えていた。

 「金日成の声は『ゲラゲラ、ゲラゲラ』ってというダミ声でね。われわれのテーブルまできて、1人1人高麗人参酒を注いでいった。私がちょっとだけ口をつけると、金日成は真横でニコニコしてるんだけど、随行役が怖い顔をして、『ぐっと飲め』という動作をするんだ。酒はまずいんだけどね(笑)」

 昼食会が終わると、ほどなくして一行は平壌に向かった。

 だが、金丸氏の姿が見当たらない。北朝鮮側が「金主席がゆっくりお話をしたいと言ってます。1人で残ってくれませんか」と金丸に打診していたのだ。金丸氏はその申し出に自分の判断で応じ、妙香山にもう1泊した。

 

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