政治資金問題で経産相を辞任した小渕優子氏は、1日30〜40回もの演説をこなす超人的なおわび行脚を展開していた。選挙カーに乗っていても有権者を見つければ、駆け寄って握手、そして握手…。行く先々で、年配の支持者らに「頑張ってねー」と声をかけられるなど、人気は絶大だ。政治資金の問題は目下捜査中だが、地元は“優子フィーバー”でわいていた。
8日正午前、小渕氏が群馬県安中市の国道沿いの空き地に現れると、寒空の下、約80人が拍手で出迎えた。
スカイブルーのジャンパーを着た小渕氏は選挙カーを降りると、有権者の方に向かってダッシュ。SPとみられる男性2人と、同行記者も後に続いた。「おばあちゃん、足どうしたの?」「手が冷たくてごめんね」…。短い会話を交わしながら全員と握手して回った。
約2分の演説の内容は少し「アベノミクスの効果」に触れたものの、おわび一辺倒だ。
「今までになく苦しい選挙です。ご心配をおかけし、心からおわび申しあげます。もう一度信頼をいただけるようしっかり調査致しますので、皆様のご支援を心からお願い致します!」
深く頭を下げ、悲壮な表情で謝る小渕氏に、「頑張れー」「みんなで書くからねー」と次々と温かい声援が飛んだ。
演説が終わると、次の場所へと急ぐ。1カ所の滞在時間は5分〜10分という短さだが、熱気と濃度は濃い。