「沖縄振興費」削減の波紋 元空将・佐藤守氏「安全保障考え直すいい機会」

2014.12.26


米軍普天間飛行場移設をめぐり、判断を迫られる沖縄県の翁長知事【拡大】

 政府は2015年度予算案で、沖縄振興予算を削減する方向で調整に入った。11月の沖縄県知事選で初当選した翁長(おなが)雄志知事が、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止を訴えていることを踏まえた措置だ。地元メディアを中心に激しい反発が予想されるが、沖縄振興と安全保障上の施策は車の両輪であり、識者からは「当然だ」との声があがっている。

 「振興予算が基地負担を前提としたものである以上、仕方ないだろう。沖縄は、基地があることで膨大な経済的利益を得ている半面、『基地には反対している』というメンツを掲げてきた。そのホンネとタテマエの使い分けが、限界に突き当たったということだ」

 国際政治学者の藤井厳喜氏はこう指摘する。

 政府は26日、山口俊一沖縄北方担当相が上京中の翁長氏と会談し、振興策に関する認識を確認したうえで、政府内の調整に入る。翁長氏と菅義偉官房長官との会談は予定されておらず、菅氏は25日の記者会見で「(会談の)打診はない。翁長氏がいろいろ考え方をまとめているのではないか」と述べるにとどめた。

 11年度に約2300億円だった沖縄振興予算は、14年度に約3500億円まで増額し、15年度概算要求では3794億円を計上している。15年度の削減幅について、政府は、(1)大幅削減(2)小幅削減(3)小幅削減と執行停止の組み合わせ−の3案を検討しており、(1)の場合、概算要求額から1割程度減る可能性がある。

 前出の藤井氏は「本土から来た極左活動家が入り込むなどし、基地反対運動が沖縄のためにならない方向に動いている。基地は米国の軍事戦略に基づいたものだが、同時に沖縄を守るためのものでもある。政府は、そうしたことを沖縄の人にも理解してもらわなければならない」と語る。

 航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将は「翁長氏は怒るだろうが、安全保障や沖縄問題を考え直すにはいいかもしれない。遅すぎたともいえる」といい、こう続ける。

 「1996年4月、当時の橋本龍太郎首相が普天間基地返還で米国側と合意した際、沖縄に対して事前に根回しをしなかった。このためか、軍用地主らは『裏切られた』と左翼陣営と連携していった。歴代自民党政権は莫大な振興費などをバラ巻いて沖縄を抑えてきたが、心ある沖縄県民は『やり過ぎだ』と思っている。米軍基地を抱える他県も『沖縄だけが特別扱いされている』という不満がある。感情論にならないよう配慮しながら、お金優先のやり方は考え直すべきだ」

 バラマキで基地反対論を封じ込めようとしてきたことのツケが回ってきたともいえそうだ。

 

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