4日放送のTBS系「サンデーモーニング」は、「群衆と戦後70年」というテーマを約1時間にわたって特集した。フランスの心理学者、ギュスターヴ・ル・ボンの著書「群衆心理」をもとに群衆の性質を分析するなかで、ヒトラーがユダヤ人迫害の一方、雇用拡大などで国民の心をつかみ、支持を固めた政治手法を紹介した。
こうした解説と、安倍政権を直接結びつけるような表現はなかった。
ただ、評論家の寺島実郎氏は「民主的手続きの中からヒトラーは生まれた。気をつけなくてはいけないのは、笑顔で迫ってくるファシズムが、どんな時代にも顕在的に横たわっていること」とコメント。中央大学の目加田説子(めかた・もとこ)教授が「民主主義では、多数が主流になってしまう。大事なことは、情報がきちんと開示されること」と語った。
これらが、ネットなどでの「安倍政権とヒトラーの類似性を指摘している」「印象操作だ」といった反応につながったようだ。
視聴者からの批判や意見について問い合わせたが、TBS広報部は「一つ一つの番組について、視聴者のご意見などを公表はしていない」としている。