【外交・安保取材の現場から】「イスラム国」対策 外務省が練った「種と土壌」戦略の狙い (1/2ページ)

2015.03.15


 平成26年8月18日、湯川遥菜さんが拘束されたとの情報を受け、記者団の質問に応じる斎木昭隆外務事務次官=外務省(三尾郁恵撮影)【拡大】

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件が起きる中、日本政府は非軍事目的の支援で「積極的平和主義」を展開する外交方針を貫いた。その背景には、イスラム国対策として、軍事的な対抗策を模索する支援よりも、民生支援が最も有効と判断した外務省の「種と土壌」戦略があった。

 イスラム国に殺害されたとみられる湯川遥菜さんが拘束された情報を、政府が把握した8月16日から数週間後、外務省内の事務次官室に中東アフリカ局の職員らが集められた。

 「イスラム国に日本はどう対応するか」

 おもむろに口を開いた斎木昭隆事務次官から今後のテロ対策を決める大きな外交課題が投げかけられた。

 「イスラム国」は、アルカーイダ系過激組織が前身で、シリアのアサド政権で内戦が激化した平成23年3月頃から、その混乱に乗じて、勢力を急拡大させた。アサド政権は捕まえたスンニ派過激グループを反政府勢力圏内で解放する動きもみせていたといい、こうして解放された過激グループを、「イスラム国」は吸収していった。

 中東の在日本大使館にはこのころからアサド政権に対する反政府勢力からの“SOS”が頻繁に寄せられていたという。同時に、発電所の設置や警察官の増員など民生的な支援の必要性も寄せられた。イスラム国への軍事的な対抗策よりも不安定な世情の安定化が求められていたのだ。

 ただ、中東・北アフリカ地域は当時、民主化の動きである「アラブの春」後の混乱が深刻で、欧米諸国や周辺国は民生支援に手が回らず、貧困や不満などイスラム国の付け入る隙を与える結果になった。

 

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