野党や一部メディアの安保論議は平和ボケにしか聞こえない H・S・ストークス氏 (2/2ページ)

2015.05.28


衆院本会議で質問する民主党の枝野幸男幹事長=26日午後【拡大】

 東シナ海や南シナ海の現状をよく見るべきだ。中国は1990年代以降、国防費を毎年10%前後増加させている。いまや、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域には、中国艦船が連日侵入しており、日本の生命線である「シーレーン」も危うくなっている。中国や北朝鮮は日本向けに数百発のミサイルを配備しているとされる。

 英国の軍人もそうだが、日本の自衛官も任官に当たっては「危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」といった宣誓をしている。国民や国家の危機にはリスクを恐れない。それが軍人である。

 私は英国のボーディング・スクール(全寮制の寄宿学校)で学んだ。徹底した少人数制のもと、文武両道、厳しい全人教育をたたき込まれた。敷地内には、国家のために命を捧げた先輩たちの「忠魂碑」があり、その前を通る際は、脱帽して最敬礼していた。忠魂碑には「キャリー・オン」(後に続け)と刻まれていた。崇高な精神に続けということだ。

 国会での議論を聞いていると、70年前の敗戦によって、日本人は「自国を守る」「国民の生命と財産を守る」といった独立主権国家としての気概を失ってしまったのではないかと感じてしまう。

 ただ、私は知っている。4年前の東日本大震災で、数多くの自衛官や警察官、消防隊員らが、自らの危険を顧みず、被災者の救助・救出や、原発事故の対応に当たったことを。そして、彼らを「日本のために、被災者のために頑張ってください」と言って送り出した家族がいたことを。現場で体を張っている人々にこそ、日本人の精神が宿っているのだと感じた。

 震災時、日本の政治は機能不全を起こしていた。現在の安全保障の議論を見ていると、危機が目の前に迫っているのに、永田町の住人だけが「井の中の蛙」で、時代の変化から取り残されている気がしてならない。 (取材・構成 藤田裕行)

 

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