【阿比留瑠比の極言御免】原発事故で情報操作…「菅直人官邸」に対する東京地裁の興味深い指摘 (1/2ページ)

2015.12.14

 東京電力福島第1原発の事故対応をめぐり、菅直人元首相が安倍晋三首相に損害賠償などを求める訴訟を起こし、東京地裁が請求をいずれも棄却した件では、判決で興味深い指摘がなされていた。水素爆発した1号機への海水注入に関する当時の菅官邸のあり方を、こう認定したのである。

 「東京電力は、準備でき次第、海水注入を行うことを早々に決めていたが、官邸は、その後の午後6時に『真水による処理はあきらめ海水を使え』との首相指示が出されたと発表し、あたかも海水注入を渋る東京電力に対して海水を使うように原告(菅氏)が指示したと受け取ることができる情報を発信した」

 「(安倍首相のメールマガジンの)海水注入の実施を決定したのは原告であるとの虚偽の事実を原告の側近が新聞やテレビに流したことについても、その重要な部分は、真実であった」

 ■地裁が事実認定

 つまり、地裁は菅官邸がメディアに対し、情報操作を行っていたと事実認定したのだ。これは政治と報道の関係を考える上で、もっと注目されるべき点だ。

 筆者は東日本大震災時も官邸を担当しており、当時の官邸政治家や政府高官らの言動をよく覚えている。彼らは事故発生直後から、取材記者らにこんな情報を流していた。

 「菅氏が渋る東電にベント(排気)をさせた」

 「原子炉の廃炉を懸念して嫌がる東電に対し、菅氏が英断で海水注入させた」 どちらも事実とは異なる。東電は早くベントをしようと懸命だったし、菅氏の言動が始まっていた海水注入を止める危険があったことも後に分かった。

 極限状況の中で、官邸政治家らも事故の現状を正確に把握できていなかった部分はあるにしろ、当時も「彼らは都合の悪いことは全部東電のせいにしようとしているな」と感じたことも記憶している。

 こうした菅官邸による情報の誤発信や誘導については、国会や政府など各事故調査委員会の報告書でもあまり触れられておらず、判決の意味は大きい。

 

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