中国の抱き込み工作も記録 佐藤栄作政権、激動の内幕 元首席秘書官の資料分析 (2/3ページ)

2017.01.30

楠田實氏
楠田實氏【拡大】

 その一つが牛場信彦駐米大使と、極秘に訪中し交渉してきたキッシンジャー大統領補佐官のやり取りに表れている。

 「日本に与えたショックは承知しており、極めて遺憾に思っている」

 同23日、キッシンジャー氏は牛場氏と会談し、率直にわびた。牛場氏が懸念していたのは、米国が中国と外交関係を樹立する代わりに、中華民国(台湾)を見捨てることだった。キッシンジャー氏は「ニクソン訪中の結果として国府(台湾)との断交に進むことは絶対にない」と断言した。

 ただ、国連の中国代表権問題をめぐっては、国連加盟国間で中国支持が強まり、46年秋の国連総会では、中国の国連参加と台湾の国連追放が焦点となっていた。ニクソン訪中はこうした国際情勢で突如、発表され、台湾はさらに不利な状況に置かれていった。

 当時の外務省調査部企画課が作成した「極秘 無期限」の資料からも米中接近に、強い警戒心を抱いていたことがうかがえる。

 「中共(中国共産党)の要求に米国がどこまで対抗し『旧友を犠牲にしない』との立場を完全に守り得るか」「中共側にとっては日本の世論の分断や日米離間策の推進が一層有利になった」

 台湾の国連残留に最後まで尽力した佐藤政権に対し、日本国内では「バスに乗り遅れるな」の大合唱が政財官界を飲み込んだ。自民党親中国派からも日増しに圧力が強まった。同年9月に作成された取扱注意文書では「(中国が)招待外交等により日本の一部指導層を抱き込み、中共の主張を支持する勢力の拡大を図る」と分断工作があったことが記録されている。

 

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