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“G移籍”オヤジの生きる道…工藤55%↓も現役続行

木村拓は2000万アップ

 巨人から出た人、入ってきた人、悲喜こもごも…。2年前に人的補償という屈辱的な形で巨人から移籍した横浜・工藤公康投手(45)が9日、契約を更改し、プロ28年目・46歳の来季も現役を続行することが決定。一方、広島で若返り策のあおりを受けて干されていた木村拓也内野手(36)は、戦力がだぶつき気味の巨人にあって自分の居場所をこじ開け、来季年俸が自己最高の8500万円に達した。彼らが弱肉強食の社会を生き抜く秘訣とは−。

【何があっても】

 今季年俸1億1000万円の工藤は、減額制限(年俸1億円以上の場合は40%まで。それ以上は本人の同意が必要)を超え55%ダウンの来季年俸5000万円(プラス出来高)でサインした。自己最高の年俸3億円だった2003年に比べると、6分の1の額だ。それでも、更改後に会見した工藤は17分30秒にわたって饒舌に語り続けた。

 「働いていないので何があってものもうと思っていた」という通り、左ひじの張りに悩まされて1軍登板がわずか3試合、0勝2敗では、大幅ダウンも当然。むしろ、クビになっても不思議はなかった。

 その事情について球団関係者が明かす。

 「工藤と仁志の人気は高く、グッズ売り上げはチームトップクラス。特に地方へ行くほどその傾向は強まる。神奈川県内ならいざ知らず、地方開催で番長(三浦)だ、男(村田)だといってもファンはピンと来ない。『巨人にいた工藤、仁志なら知ってる』というワケです」

 工藤は一昨年オフ、門倉健投手(35)が横浜からFAで巨人入りした際、プロテクトから外され、人的補償選手として横浜入りを余儀なくされた。その工藤は今、「俺にとってはラッキーだった。まだ必要としてくれる所があるということが、プロ野球選手にとって大切」と話す。横浜では工藤の知名度、Gブランドの残り香が重宝される。しかし、圧倒的な戦力の巨人にあのまま残留していたら、果たして工藤にプロ28年目が訪れたかどうか。

【残留だったら…】

 なんとも皮肉なことにこの日、門倉が巨人から自由契約となった。この2年は、昨年が12試合1勝5敗、今季が11試合0勝2敗。成績以前に登板機会が少なかった。清武球団代表は「1球でも多く投げたいという本人の希望があり、苦渋の決断をした」と説明したが、門倉が選手層の厚い巨人にこれ以上いても飼い殺しになるだけ−と判断したとしても無理はない。

 さらに同日、巨人・木村拓が2000万円増の来季年俸8500万円で更改した。交渉中、宮崎南高の先輩にもあたる清武代表から「こういう年になって年々成績が上がるのは珍しいね」と感心されたという。

 広島ではブラウン監督の若返り方針で2軍にくすぶっていたが、一昨年6月に原巨人へトレードされると、内・外野どこでも守れる便利さに加え、粘り強く小技の利く打撃は、1発頼みに陥りがちな巨人打線の中では光った。「僕が頑張れば、プロは体格じゃない(身長173センチ)、本塁打だけじゃない、と手本になれる」と木村拓。

 今季、同じ二塁手のゴンザレスがドーピング検査でひっかかり契約解除されたことも、結果的に木村拓の存在価値を高めた。これだけの戦力の中で、なぜか二塁にだけはずっと“穴”が空いていることも幸いし、今季は打率.293、出塁率.347をマークした。

【己の技と特性を磨くべし】

 禍福はあざなえる縄のごとし。サラリーマン諸氏にとっては、自分の技術、特性を磨いておけばチャンスは必ず来る−という教訓になりそうだ。

 ちなみに、工藤に「こうなったら引退する−と決めていることはあるのか?」と聞くと、「どこにも獲ってもらえなくなったら」と即答だった。「日本に必要としてくれる球団がなくなったら外国へ行くかも。アメリカに行こうっかなあ〜」。この執念、バイタリティも見習いたいものだ。

ZAKZAK 2008/12/10

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