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サムライ連日4万人超の大盛況、巨人ガラガラ300人

宮崎キャンプで明暗

 WBC日本代表候補が合宿を行っている宮崎県総合運動公園は、16日の練習スタートから連日4万人を超すファンで大盛況だ。しかし、その一方で同じ公園内で実施中の巨人春季キャンプは、すっかり閑古鳥が鳴いている。巨人関係者が期待したWBCとの集客の相乗効果は絵に描いたモチに。この明暗が、プロ野球の現状を物語っている。

 侍ジャパンの合宿2日目の17日。サンマリンスタジアム宮崎は、ファンの熱気に包まれた。観客数は、平日にもかかわらず、前日の4万人から4万3000人にアップするなど、その人気と注目度は、とどまるところをしらない。

 練習が始まるのは午前9時半。この日は深夜、午前1時すぎから公園入り口を起点に車の行列ができる過熱ぶりで、日頃は静かな宮崎市街からの道路は大渋滞となった。今後、客足はさらに伸びそうな気配だ。ホテルはどこも満員。球場の売店は売り切れ続出。22日まで続くWBC合宿が地元宮崎へもたらす経済効果は100億円というのもうなずける。

 ファンの最大の目当てはマリナーズのイチロー外野手(35)。ベースランニングでは脅威の俊足で度肝を抜き、守備練習ではレーザービーム送球でどよめきを誘う。ファンもよく心得たもので、イチローが守る右翼後方のスタンドが特等席として人気だ。イチローも得意の背面キャッチを披露したり、スタンドにボールを投げ入れるなど、サービス精神を存分に発揮している。

 しかし、光が強ければ、影の色も濃くなるというもの。真新しいサンマリンから同公園内を20分ほど歩くと、築35年のひむかスタジアムで巨人の1軍が春季キャンプを行っている。前日、巨人は休養日だったことで、初の同時進行となったこの日、サンマリンの騒々しさがウソのように、ひむかのスタンドは静まり返っていた。

【大田2軍落ちで拍車】

 午前中は観衆が100人にも満たず、スタンドはガラガラ。同公園を訪れたファンは4万3000人もいるのに、ひむかには、多いときでも300人程度しか集まらなかった。ちなみにこの日、WBCを取材した報道陣の数が300人。ひむかの女性スタッフも、「仕方ないよね、私だってイチロー見たいよ」と苦笑いである。

 巨人は1日から、サンマリンをメーン球場にして春季キャンプを行ってきた。日曜の8日には観衆2万7000人を集めたが、WBC合宿が始まってサンマリンを明け渡し、メーン球場をひむかに移した途端、ファンを根こそぎ持っていかれた格好だ。

 そもそも宮崎のWBCフィーバーは、WBC監督人事が紛糾し、巨人・原辰徳監督(50)に指揮官のおはちが回ってきたおかげ。巨人と日本代表の両方を指揮したいという監督の意向で、当初予定されていた代表合宿地を米グアムから宮崎に移した経緯がある。

 事前には「イチローやダルビッシュといった人気選手との相乗効果で、巨人の練習にもファンが相当数、流れるはず」と期待する巨人関係者もいたが、ファンは日の丸戦士にくぎ付け。高橋由、ラミレス、李承ヨプら高給取りの看板スターがいる巨人のひむかに、まったく日が当たらないのはどういうわけか。

 悪いことは重なるもので、今年のルーキーで最大の注目を集めていた大田泰示内野手(18)は、攻守に実力不足を露呈して2軍落ちが決定。15日までは総合公園内で練習していたが、この日から巨人の2軍キャンプはWBC合宿に押し出される形で、8キロ以上離れた清武町総合運動公園に移った。今春最大の呼び物だった選手が“都落ち”しては、巨人の注目度が下がるのも道理だ。

 巨人首脳陣の1人は4万超の観衆で埋まるサンマリンの活況を見ながら、「長嶋さんが監督だったころは、(巨人も)いつもこのくらいファンが来ていたけど、最近はこんなの見ないね…」とため息をつく。

 巨人と同じ読売グループの日本テレビは今季、視聴率が稼げない巨人戦の地上波の試合数を、昨季から16も削減して26とした。ところが、WBCフィーバーはとどまるところを知らない。

 野球人気が落ちたのではなく、巨人の人気が落ちた−。宮崎で生じた光と影が、その事実を残酷に浮かび上がらせてしまった。

ZAKZAK 2009/02/18

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