耐えた!つないだ!侍ジャパン世界一!10回延長制す
WBC決勝
【ロサンゼルス23日(日本時間24日)=米沢秀明】侍ジャパンが世界一に輝いた。第2回WBC日本代表は、決勝で韓国を5−3で破り、大会連覇を果たした。北京五輪で4位と惨敗した日本野球が、原辰徳監督(50)の下、殊勲打のイチロー外野手(35)らメジャー組5人をそろえたベストメンバーで臨み快進撃。準決勝で野球の母国・米国、決勝で宿敵・韓国を破り、真の世界の王座に就いた。
糸を引くような打球が、中前に抜けていった。3−3で迎えた延長10回2死二、三塁。不振を極めていたイチローのバットから、日本を世界一に導く快音が響いた。千金の2点タイムリー。その裏、連日の抑えとなったダルビッシュが締めて、侍たちが歓喜の輪を作った。
原監督の体がドジャースタジアムのロスの夜空に舞う。3年前の第1回大会に続き、日本が世界の頂点に。北京五輪金メダルの韓国を破って、王座を守った選手たちは歓喜の輪の中で喜びをかみしめた。
今大会5度目の顔合わせとなった宿敵・韓国との世界一決定戦。これまで2勝2敗の因縁対決に、気温17度のドジャースタジアム内のチケット販売所は、午前9時のオープンと同時に当日券を求めて日韓両国ファンの列が続いた。アジア勢同士の対戦にも、スタンドは大会最多5万4846人の観客で埋まった。
試合前、円陣を組んだナインに向かってイチローが「世界一、いくぞ!!」と声を出し、気合を入れた。
過去2戦2敗と苦手にしているメジャー(レッズ)通算7勝の左腕、奉重根(ボン・ジュングン)を攻略するため、打順を大きく変更。4番に奉に4打数3安打と相性のいい城島を入れ、7番には緊急招集した栗原を抜てき。9番にも片岡を起用するなど、右打者をオーダーに5人並べた。
1回、イチローが中前打で出塁。気勢を上げる。3回、日本が先制した。中島の遊撃内野安打と敵失で迎えた1死一、三塁のチャンスに小笠原が右前適時打を放ち、試合の流れをつかんだ。
先発・岩隈が踏ん張った。5回に5番秋信守に中越え同点本塁打を許したが、打線が奮起。7回に片岡、イチローの連打でつかんだ無死一、二塁の好機に中島が左前適時打。8回にも岩村の左犠飛で3点目をあげた。
3−2で迎えた9回に登板したダルビッシュが、2死一、二塁から6番李机浩に痛恨の左前同点適時打を浴びたが、イチローの一打が、すべてを喜びに変えた。
星野仙一監督の下、「金メダルしかいらない」と臨んだ昨夏の北京五輪では、韓国に1次リーグと準決勝で敗れ、3位決定戦でもマイナーリーグの選手が中心の米国に苦杯。期待を裏切るメダルなしの惨敗に、日本中が失望した。
このWBCでは、日本の力を再び世界の舞台で示すことが義務付けられた。初代王者に輝いた前回は2人しか参加しなかったメジャー組。今回はイチロー、松坂、城島、岩村、福留と5人が出場した。原監督が「世界中に散っている日本の野球人の最強メンバー」という編成で挑んだ。
【次回は日米共催の可能性も】
松坂、岩隈を中心とする投手力が、持ち味の正確な制球力を生かして安定感を維持。試合を重ねるにつれ、エンドランなどを効果的に使った日本らしいそつのない攻めの形も見られた。「スモールベースボール」が、一段進化した攻撃を世界に示した。
米国の1番で、準決勝で松坂から先頭打者本塁打を放ったロバーツ(オリオールズ)は、「日本と韓国は、とても基本に忠実な野球をしている。誰もが学ばなければならないことがそこにある。米国はそれができていない。不幸なことだが、大リーグは金や契約の話ばかりになっているのが現実だ」と脱帽した。
この日は4安打を放ったもののチームリーダーのイチローが不振を続けた中で、他の選手の成長ぶりも顕著になった。イチローは「(不振で)折れかけた心を支えてくれた」と素直に感謝した。
日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナーは、「次回(WBC)は日米共催の可能性はなくはない。強いチームへの敬意は払われるべきだと思う」と4年後、2013年の第3回大会の本大会の日本開催の姿勢を示した。
大会前「目指す港はただ一つ」と宣言した原監督。その言葉通り、侍たちが帆をあげて「世界一」の港にたどりついた。
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ZAKZAK 2009/03/24
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