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イチロー「抜けたー」日本新…総立ちでニヤニヤ

プロ18年、また金字塔

 マリナーズのイチロー外野手(35)が16日、エンゼルス戦に1番右翼で先発出場し、2打席目に日米通算3086安打となる右前打を放ち、前日に張本勲氏(東映など)と肩を並べていた日本最多安打記録を更新した。日本球界が輩出した最高の安打製造機は、オリックス9年(1278安打)、大リーグ9年(1808安打)の計18年で、ついに未知の領域へ踏み込んだ。

 WBC連覇後の胃潰瘍による故障者リスト(DL)入りで心配されたが、今季初戦で劇的な満塁弾を含む2安打を放つと、2試合目のこの日、一気に張本氏の記録を抜き去った。

 相手先発は苦手のソーンダース。1打席目は遊ゴロに打ち取られ、3回までパーフェクトに抑えられていた4回先頭でこの日2度目の打席。2ボールから真ん中に入ってくる直球を、鋭く振り抜くと疾風のような打球が一、二塁間を真っ二つに割った。

 本拠地セーフコフィールドの電光掲示板には「Congratulations 3086」の文字。日本野球界の記録が表示されるのは異例のことだったが、これを受けて観衆は総立ち。一塁キャンバス上の背番号51は、静かにヘルメットを上空にかざして歓声に応えた。

 日本球界が輩出した安打製造機として不動のスーパースターとなったイチローだが、91年にオリックス入りした際はドラフト4位。高校時代は投手で、プロ入り後も投手の道を選択していれば、張本氏の記録を破る選手としてスターダムにのしあがることはなかったかもしれない。

 プロ野手としては非力だったイチローの打撃技術に対する努力と苦労は想像を絶するものがある。92年にウエスタン・リーグで.366の首位打者を獲得。独自の打撃理論を譲らないイチローは当時の首脳陣に理解されず、プロ入り直後は2軍で不遇の時代を過ごしている。

【狙うはピート・ローズの大リーグ通算4256安打】

 結果的にイチローを世に出すことになった振り子打法にも、当初は奇異な目が多かった。大リーグに移籍してからも、四球を選ばない好球必打に徹したスタイルや、打率ほど重要視されていなかった年間安打数に成績を特化した目標設定は、時として誤解されることもある。

 本塁打王を狙えない打者が生き残りをかけて開拓した打撃は、身体能力の高さと守備力にも裏づけされて究極の高みに。安打を放つ技術自体はもちろんだが、周囲の意見に左右されず、自分の道を見極めて専心した結果の大記録。イチローも最初からスーパースターだったわけではない。

 日本最高の安打製造機となったイチローだが、その安打記録への挑戦は今季も続く。大リーグ新記録となる9年連続シーズン200安打記録が当面の目標。開幕から8試合欠場はイチローへの重圧を増加する。

 「現時点ではそのことを考えるのはナンセンス。そういう可能性を見いだせるシーズンにしたい」と、ようやく今季のスタートを切ったばかり。200安打が達成されれば、大リーグ2000安打にも到達する。

 最終的に目指すのはピート・ローズの持つ大リーグ通算安打記録の4256安打。オリックスでの記録は換算されないため、200安打を打ち続けてもあと12年はかかるはるか彼方の記録。本人も不可能な領域としており、常識ではあり得ないが、47歳のイチローがカーテンコールに応える奇跡をイメージできないこともない。

■イチロー「(打った瞬間は)抜けたーと思いました。張本さんは明日帰っちゃうと聞いていたので、やらなきゃいけないプレッシャーがあった。95年春に、張本さんに『記録を抜くのはお前しかいない』と言われたことを思い出していた。このシアトルの地で、張本さんの目の前で(達成する)とはイメージできていなかった。1本1本を積み重ねた結果。夢のようです。(ピート・ローズの記録については)ずいぶん遠い。算数が苦手な人には近く見えるかもしれないが、僕は算数が得意な方なので遠く見える。1本1本頑張ります」

ZAKZAK 2009/04/17

イチロー

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