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ジーコ元監督の通訳を15年務めた鈴木國弘氏(上)

真相直撃インタビュー「気になるあの人あの話題」

 ジーコの影武者が異色の転身を果たす。サッカー日本代表、ジーコ元監督(56)=現CSKAモスクワ監督=の通訳を15年間務めた鈴木國弘氏(53)が仏道を目指す日々を送っている。このほど1年間の勉強を終え、その心境を夕刊フジに初めて激白した。(聞き手=夕刊フジ編集委員・久保武司)

 −−それにしても驚きました。仏道を志すとはいったい…

 「本当です。自分でも驚いているのですが…」

 −−何がきっかけ

 「祖父が僧侶だったんです。実は、ドイツW杯を終えてジーコの本の取材で当時指揮していたトルコのイスタンブールに行ったときのこと。15年間やってきたジーコとの最後の仕事で、アポイントを取っていたにもかかわらず『鈴木、悪いが2日間待っていてくれないか? 他の仕事が押している』と言われましてね。ブラジルは得意ですけど、イスタンブールに2日間といわれても…。それでホテルでボーッとしていたんです」

 −−そこで何が

 「祖父が出てきたんです。それも真っ昼間。『もう、サッカーはいいだろう? 役目を果たせ』って。自分自身がどうかしてしまったと思いました。でも、今もお世話になっているご住職の方にお聞きしたら『お導きだ』と。女房に相談することもなく、ごく自然に『やるしかないな』と思いました。15年間サッカーの神様(ジーコ)から本当にいろいろなことを教えてもらいましたが、こんどは本当の神様に仕えるという心境です」

 −−簡単になれるものではありませんよね

 「入りたいといって入れる世界ではないですから、まずはお寺の掃除から始め、いろいろご指導をいただきました。滝に打たれたことも。好きだったサッカーの世界からも離れました。Jリーグも一切見なかったから、えっ、柏レイソルにネルシーニョが戻ってきた? こんな感じで、浦島太郎状態ですよ」

 −−ジーコから何か言われた

 「ある日、『お前、これからどうしていくんだ?』って電話をもらって、『仏道に入ります』と話したら、『鈴木がやりたいなら絶対やるべきだ』と応援してくれ、すごく力になりました。今季からACミランの監督になったレオナルドからも、向こうの朝6時半に電話が来て、『えっ? 仏道。それは素晴らしいことだ』といわれて本当にうれしかった」

 −−今も悟り(笑)にむけて勉強の毎日

 「第一段階は終わりました。週2度ほどご指導いただいてます」

 −−もうサッカーからは完全に離れる

 「いえ、今はサッカーのことを含めて仕事をしてもいいというお許しが出ています」

 −−またサッカークラブの通訳を

 「多くのJリーグのクラブへ就職活動をしたんです。全く相手にされませんでした」

 −−実績があるのに、不況の影響ですか

 「私はそうは思いません。これも必然だと思いました。そうしたらジーコからも『今までの経験をきちんとした形で伝えることもお前の仕事じゃない?』と言われて、そうだ、これだと。だから今は井戸端会議的な小さな集会で多くの人々と直接的なやりとりで、私の経験や思いを伝えていきたいと思っています」

 ■鈴木 國弘(すずき・くにひろ) 1955年12月25日、千葉県生まれ、53歳。19歳でブラジルに渡ってポルトガル語を身につけ、通訳業をスタート。1991年、住友金属サッカー部(現J1鹿島)に電撃加入したジーコの担当通訳を15年間務めた。2006年ドイツW杯を最後にジーコと離れて通訳、コーディネート業を始めたが、昨年から僧侶として修行の道へ。サッカーのみにとどまらず、日本とブラジルの交流にも情熱を注ぎたいという。

ZAKZAK 2009/08/06

ジーコ

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