【俺の人生第二幕】日米で活躍した岡島秀樹氏、代理人事務所アドバイザーに転身 「もっと早く団さんと会っていたら野球に集中できたのに」

岡島氏は団野村氏(右)の事務所のアドバイザーに就任

 巨人、レッドソックスなど日米7球団で主にリリーフ投手として活躍。日米通算815試合に登板し、昨夏引退した岡島秀樹氏(41)が、人生の第二幕に意外な道を選んだ。団野村氏(59)が代表を務める代理人事務所「KDNスポーツ」のアドバイザーに就任したのだ。メジャー時代に苦労した経験を基に、新たなスタートを切った。 (聞き手・塚沢健太郎)

 --昨年はオリオールズとマイナー契約してキャンプに参加し、実戦5試合で自責点0に抑えたが戦力外となった。8月にレッドソックス戦で始球式を行い、現役に一区切りをつけた。アドバイザーになった経緯は

 「アメリカの独立リーグという話もあったけど、そこから3Aには行けても、メジャーとなると難しい。始球式が終わって帰国した頃、団さんから『手伝いをしてくれ』と声をかけていただきました。もともとアメリカに行ってからエージェント(代理人)やスカウト業に興味を持ったので、いい話だと思いチャレンジしました」

 --団氏のような代理人を目指すのか

 「アメリカのエージェントはもともと選手だった人が多い。ネットワークを広げ、ちゃんとした土台を作りたい。今からエージェントになるために勉強するのは、年齢的に遅いので難しいだろうけど、手助けやスカウト業ならできるんじゃないかと思って。最終的にはスカウト業をしてみたい。いずれにせよ、日米を経験してきたので、架け橋になれれば」

 --アドバイザーの仕事内容は

 「アメリカに行きたい選手の仲介をして、気持ちを聞いたり、アドバイスをする形になります」

 --現役大リーガー時代は代理人で苦労した

 「4人ぐらい変わりました。だから『こういう失敗があるよ』とか、『エージェントは大事だよ』とか経験から得たものを伝えられれば」

 --最初の代理人は、保有権や出来高契約の内容などを正確に伝えてくれなかったとか

 「和訳した日本語が間違っていたり、家族のサポートも全然やってくれなくて、ほったらかしでした。レッドソックスは家族に手厚い球団でしたが、そうでない球団に入っていたらと思うと、ゾッとします」

 --一方、団氏はかつて日本人大リーガーのパイオニアの野茂英雄氏、現在はレンジャーズのダルビッシュなどの代理人を務めている

 「団さんのところは、日本人スタッフがアメリカにもいて、家族のサポートもしっかりしている。もっと早く団さんと知り合っていたら、僕ももっと野球に集中できたのにと思いましたよ」

 --大リーグで活躍するには、米国での生活面も重要

 「ダルビッシュさんが活躍しているのは、そこもあると思いますよ。家族のことをしっかりカバーして、エージェント以上のことをされている。芸能事務所のマネジャーさんがやる例はあるけど、代理人さんがそこまでやるというのは聞いたことがなかったので、すごいなと思いながら見ています」

 --最近は日本人でメジャーに挑戦する選手が減っている

 「僕は31歳でFAで行ったけど、FAはなかなか取れないので、ポスティングということになる。でも認めない球団もある。そうなるとアメリカを諦めて、国内FAで移籍するか、残留するかになってしまう。実際、米国には30歳前後で行かないと厳しいと思う」

 --特に打者は少なくなった

 「松井さん(秀喜氏=元ヤンキースなど)で止まってますよね。アスレチックスで一緒だった中島君(宏之内野手=現オリックス)でも難しかった。野手はそういうのを見て、無理だなという感じになってきている。松田君(宣浩内野手=ソフトバンク)はもったいなかった。メジャーに行った方が彼の持っているものを出せたと思う」

 --投手も減っている

 「元ロッテでダイヤモンドバックス(傘下のマイナー)に行った中後(なかうしろ)君(悠平投手)だって、メジャーに上がれそうかなというところまできている。もっとたくさん行ってほしいですよね」

 ◆団野村氏「体験してきたことを、選手の目線でアドバイスしてもらえれば。エージェントの目線ではわからないこともあるので、現場の声は貴重です。体験談を伝えて(クライアントの)いろんな問題や心配点を取り除いてほしい」

 ■岡島秀樹(おかじま・ひでき) 1975年12月25日生まれ。京都府出身。東山高から1993年ドラフト3位で巨人入団。2000年、ダイエー(現ソフトバンク)との日本シリーズで胴上げ投手になる。06年に日本ハムに移籍し、同年オフにFAでレッドソックス入団。07年の世界一に貢献し、メジャーの球宴にも出場した。日本4球団、メジャー3球団に在籍し、昨夏引退。日米通算55勝48敗56セーブ、左投げ左打ち。妻はフリーアナウンサーの栗原由佳。