【プロキャディーXのつぶやき】“スマート”なマークセンに惚れた! 名手は道具を選ばず、違反パター告げ口選手に明日はないぜ

急きょセカンドパターでプレーしたマークセン

 日本シニアオープンは、タイのプラヤド・マークセンが大会2連覇を成し遂げた。

 予選ラウンド2日間ともに63のビッグスコアを叩き出し、通算18アンダーで2位に10打差をつけての単独首位に立ち、そのまま優勝。ナショナルオープンでのこのハイスコアは、大会記録だった。

 今年末、米チャンピオンズツアーのツアー優先出場権順位を争うQS(クオリファイングスクール)の受験、突破を目指すマークセンのモチベーションは高い。さらに、それを高めたのは、大会2週前に開かれたコマツオープンでのプレーオフ負けだったと思えてならない。

 なぜなら、同オープン優勝者には、その翌週に日本で初開催された米チャンピオンズツアー「JAL選手権」への出場資格が与えられることになっていた。さらにここで優勝するとQSを受験せずに済む。「2週連続優勝」という青写真をマークセンは描いていたに違いない。

 ゴルフに限らず、何事も思い通りには進まない。金鐘徳さんと首位を分け合い、そしてマークセンは敗れ、夢も破れた。

 マークセンの帯同キャディーから聞いたのだが、コマツオープン2日目のスタート前にちょっとしたトラブルがあったそうだ。

 「マークセンが違反パターを使っているかもしれない」。出場選手からのクレームめいた話から競技委員がパター練習をしていたマークセンの元に足を運び、パターをチェック。シャフトの曲がりポイントがルールに抵触している可能性があり、「この大会では使用可能だが、今後の試合では控えた方がいい」とのお達しがあったとのこと。

 「全英オープンでも全英シニアオープンも、このパターを使って問題は一切なかったのになぜ?」とマークセン。スタート前に因縁をつけられたも同然だ。「よし、わかった。もうこのパターは使わねぇよ。それで、文句はねぇんだろ!」って、俺なら叫ぶぜ。

 マークセンはロッカーからサブパターを持ち出し、急きょ対応したとのこと。完全アウェーだね、かわいそうに…。

 その日は67のベストスコアで、「エースパターならバーディーチャンスをもっとモノにできた」と、皮肉を込めてそう言ったそうだ。素晴らしき捨て台詞、俺はマークセンのファンになってしまった。

 そんな経緯があっての日本シニアオープン優勝。さぞかし気も晴れたことだろう。名手は道具を選ばず、告げ口した選手に明日はないぜ!