日本ハム・大谷とDバックスの濃密関係 キャンプ地“乗り換え”ウラ読み解こうと大リーグ関係者躍起

ダイヤモンドバックスの施設のメーン球場は大谷の移籍とリンクするのか?

 日本ハムは3日、来年2月のキャンプを米アリゾナ州スコッツデールにある大リーグ・ダイヤモンドバックス(Dバックス)の施設で行うと発表した。この2年間は提携球団であるパドレスの施設で行ってきたが、キャンプ地変更で大リーグ関係者の間にはさまざまな憶測が広がっている。Dバックスでは、今オフのメジャー移籍が確実視される大谷翔平投手(23)にとって“恩人”ともいえる小島圭市氏(49)がスカウト顧問を務めており、米紙『ロサンゼルス・タイムズ』が2人の信頼関係について報じている。この奇妙な符合は何を意味するのか。

 大谷は4日のオリックス戦(札幌ドーム)で、自身初となる「4番・投手」で先発。日本最後の登板となる可能性が高い試合で、投げては9回を2安打10奪三振、打っては3打数1安打と投打で活躍し、今季初の完封勝利で締めた。9日のチーム最終戦(対楽天=Koboパーク宮城)終了を待って、米球界挑戦の意向を自らの口で明かす可能性が高い。

 先発前日の3日には「今まで通り、やることはほとんど変わらない。やれることをやりたいです。チームが勝てるようにしっかり投げる」と淡々とした口調で話した。

 来年2月の日本ハムのキャンプ地変更は、このオフにメジャーへ移籍する右腕にとっては関係のない話のはずだが、変更先がDバックスとなれば、そうも言っていられない。

 これまでの受け入れ先だったパドレスは日本ハムと2008年から業務提携契約を結んでおり、キャンプだけでなく金子誠氏(現打撃コーチ)、中嶋聡GM特別補佐のコーチ留学先にもなり、ソフト、ハードの両面で深い関係を築いてきた。ところが、ここにきてキャンプ地というハード面でつながりを解消した格好だ。

 日本ハムのアリゾナでのキャンプ期間は、Dバックスによれば2月1-14日までの予定。日本ハムの竹田憲宗球団社長は「日本一奪還を目指して新たな環境によりレベルアップを狙い、キャンプ地を変更することにいたしました」と“乗り換え”の理由を説明した。

 しかし額面通りには受け取れない。大リーグ関係者は「大谷のメジャー移籍とは切り離して考えられない」と、今回の発表のウラを読み解こうと躍起になっている。

 同関係者は「やはり小島さんの存在が大きいのでは」とみる。

 おりしも、ドジャースのおひざ元、ロサンゼルスの地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のディラン・ヘルナンデス記者は9月29日(日本時間同30日)、『日本の野球スター、大谷翔平は大リーグで2つの脅威となる』と題した大型の特集記事を掲載。ヘルナンデス記者は日本人の母を持ち、流暢に日本語を操る、日本の野球事情にも精通した敏腕記者だ。

 同記事では花巻東高校野球部の佐々木洋監督(42)にインタビューしながら、同校を卒業後即メジャー挑戦を予定していた大谷が、ドジャースと契約するつもりだったと明かしている。

 同紙は「もし大谷が高校を卒業して海を渡るという最初の計画を変更しなかったら、今季のナ・リーグのプレーオフに出場する準備をすることになっていたかもしれない。数多くの大リーグ球団が彼を誘っていたが、彼が契約を考えていたのはドジャースだった。大谷は『確実には言えないが、その可能性は強かった』と言っている」

 同紙はさらに、こう伝えている。「そのときのドジャースのスカウトは小島圭市氏(49)だった。彼はほとんど毎日花巻東の練習に足を運び、大谷の信頼を得た。現在、彼はダイヤモンドバックスのコンサルタントをしている」

 小島氏は花巻東高の菊池雄星投手(現西武)に続いて、同高の大谷に1年生の段階からほれ込んだ。2010年から股関節のケガで投げられなかった期間も含めて毎日のように同校のグラウンドに通い詰め、大谷の信頼を勝ち取ったのだ。

 大谷は同氏について「ケガで辛いときも、直接話すことはなくても、毎日見てくれているということが支えになった」と感謝を口にしたことがある。12年の夏には、高卒即メジャー行きの希望を表明。同年のドラフトで日本ハムに1位指名された際にも当初は「(日本ハムに行く可能性は)0%です」と言い切ったほどだ。小島スカウトの存在により、大谷がドジャース入団を考えていたのは事実のようだ。

 そんな小島氏は現在、ドジャースを離れ、小・中学生の指導者に向けた講習や講演活動に奔走するかたわら、Dバックスのスカウト顧問を務めている。最近、大谷の登板時に大物代理人のスコット・ボラス氏とともに視察する姿が目撃されたことは本紙が既報した通りだ。

 急速に日本ハムとの関係を深めつつあるDバックス。そこに籍を置く恩人との因縁は、本人のみならず、もはや周囲も無視できない。

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