【プロキャディーXのつぶやき】三好CCの名物ホール、「魔の16番」地獄谷の餌食となったヒョンソン

辛さがにじみ出ていた

 先週の東海クラシックは、小平智(28)が逆転で新婚初Vを飾った。

 俺は、ボスが予選を通過しただけの体たらくだったことから、いつも何かと声を掛けてくれる金亨成(37=キム・ヒョンソン)の応援に専念した。優しい人で「ご飯を食べましたか? まだなら一緒に食べましょう」と誘ってくれる。夏場は「飲み物を売店で買ってください。僕のツケで構いませんからね」と言ってくれる。プロキャディーの間では、評判の良いプロなんだ。

 最終日、15番を終えて2位に2打差の単独首位だったヒョンソン。今季は首や肩痛に悩まされていたが、痛みは癒えてショットも復調。待望の第一子の男の子も誕生してモチベーションは高まるばかり。練習日には「優勝争いはできるだろうし、運が良ければ勝てるかもしれない」とまで言っていた。

 しかし、勝負の世界は甘くない。三好CCの名物ホール、魔の16番、190ヤードのパー3で試練が待ち受けていた。打ち上げで右は斜面、左は崖。左に落とすと木が邪魔をして地獄谷と呼ばれる。前日の3日目にはスンス・ハン(米国)が11打の大叩きで、ホールワーストだった9を塗り替えた。

 そして、ヒョンソンもティーショットを左に引っ掛けてしまい、地獄谷の餌食となった。痛恨のダブルボギーで首位陥落。首位の小平と2打差で迎えた最終18番では、奇跡の大逆転を願って打ったバーディーパットが外れ、グリーンを叩いて悔しがった。どれほど勝ちたかったのか、辛さがにじみ出ていた。

 実は、ヒョンソンは前日16番のティーショットを右に押し出していた。「その記憶が左に引っ掛けさせなければいいのだが」。俺の悪い予感は的中してしまった。

 ミスには予兆や布石が存在する。それをどう受け止め、対処するか。ゴルフはそんなゲームに思えた。