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【プロキャディーXのつぶやき】宮里藍引退、記録よりも記憶に残る選手がまた1人…

 幸せかどうかは、自分が決める。数あるスポーツ競技の中で、引退会見を開けるプロ選手ってほんの一握り。ほとんどの選手は試合に出られなくなったり、チームから引退勧告や自由契約を言い渡されたりして、競技生活に幕を下ろす。そして、忘れ去られてしまう。

 今年はフィギュアスケートの浅田真央ちゃんに始まり、今週はプロゴルフの宮里藍ちゃんの引退会見が開かれた。両選手とも一大ブームを巻き起こし、真央ちゃんのように、藍ちゃんのようになりたいというジュニアが増え、底辺を拡大させた功績は本当に大きい。

 2003年、東北高校3年のアマチュア時代に、国内ツアー史上最年少Vを飾り、プロ転向後の05年にはゴルフワールド杯で優勝。その翌年から米ツアーに本格参戦し、10年には世界ランキング1位になった。次々に記録を塗り替えていき、低迷していた女子ゴルフ界に隆盛をもたらした立役者だ。

 世界ランキング制度スタート以来、これまで9人が1位の座に就き、実は藍ちゃんだけがメジャー制覇を遂げていない。09、11年の2回、エビアンマスターズを制しているが、残念ながらメジャー昇格試合になったのは13年からとは悔やんでも悔やみ切れない。

 その話を藍ちゃんにしたらきっと弾ける笑顔で「メジャー大会だったら2回も勝てなかったかもしれませんね」って応えるだろう。そんな藍ちゃんだからこそ、ゴルフファンだけでなく国民皆から応援され、引退を惜しむ声が絶えないのだと思う。

 真央ちゃんも数々の記録を打ち立てたけれど、五輪では銀メダルどまりだった。メジャーVも五輪金メダルも手にできなかった選手だからこそ、ファン以外からも愛されて止まないのだと思う。藍ちゃんの引退理由は「モチベーションの維持が難しくなったから」だそうだ。

 記録よりも記憶に強烈に残る星がまた、消えていく。今季はまだ試合に臨む藍ちゃんに勝利の美酒をもう一度味わってほしい。それなら、本人もファンもみんな幸せを感じられる。

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