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【松本秀夫 プロ野球実況中継】「高校野球の決勝戦だと思って」闘争本能呼び覚ましたデニーCの一言 中日・小笠原、成長へ繋がる「1日」

 いよいよ高校野球の甲子園出場校が出そろいました。清宮旋風に沸いた今年は、私も何回か神宮で取材、けれんみのない戦いぶりに心を打たれるシーンもありました。

 ところでこの時期、プロの選手も球児たちに触発される…なんてことはあるんですかね。

 先週の土曜日(7月29日)はナゴヤドームで中日-阪神戦を実況。中日は東海大相模出身で2年前の夏の甲子園優勝左腕、小笠原慎之介投手(19)が先発でした。

 ここ数試合結果の出ていない小笠原について試合前、阪神・片岡打撃コーチは「最近はかつてのような勢いのある投球が影を潜めている」とコメントしていたのですが、試合が始まるとなんのなんの、初回からガンガン飛ばして三振の山を築くではありませんか。ストレートが速い上に、腕を思いきり振るからチェンジアップも効いて面白いように空振りが取れたのです。

 試合中の片岡コーチのコメントは「今日はガンガン来ているね」と軌道修正。

 実は試合前、小笠原投手はデニー投手コーチから「今日の試合が高校野球の決勝戦だと思って投げてこい」と言われたんだそうです。確かに、この日の姿はまさに3年生夏の甲子園を思わせるほど鬼気迫るものがありました。

 結局この日は5回まで阪神打線を抑えたものの、バテが来たのか、6回には俊介に2ランを浴びて2失点。味方の援護なく勝利投手にはなれず。しかも、くしくもこの日、母校の東海大相模が神奈川県大会決勝で横浜高校に敗れてしまったので、小笠原投手にとってハッピーな1日ではありませんでした。

 ただデニーコーチは言います。「あれでいいんですよ、まだスタミナがないから6回は仕方がない」

 はつらつとプロに入ってきても、何回も壁に当たるうちに、いろいろなことを考えて本来のよさまで失ってしまうのはよくあること。球児たちの熱いプレーが闘争本能を呼び覚ましてくれるのかもしれません

 ■松本秀夫(まつもと・ひでお) 1961年7月22日生まれ、東京都出身。早大卒、85年ニッポン放送入社。スポーツ部アナウンサーとして「ショウアップナイター」の実況などを担当。2005年ロッテ優勝決定の試合での号泣実況のほか、数々の名言がある。17年4月よりフリー。

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