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【江尻良文の快説・怪説】契約更改交渉前の金額事前通知めぐり「選手会、球団側」がドタバタ劇 双方の問題点が浮き彫りに

 労組・日本プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)は3日、12球団オーナーと熊崎勝彦コミッショナーに対し現状を訴える文書を送付したことを明らかにした。

 選手会は、シーズンオフの契約更改交渉において提示金額の事前通知を要望。事務折衝で日本野球機構(NPB)選手関係委員会(谷本修委員長=阪神球団常務)と真っ向対立している。「特に、下交渉ができない若手に考える時間が十分与えられていない」というのが選手会の主張だ。

 ところが選手関係委員会は全面拒否。選手会は「Jリーグでもやっていることで問題は起こっていないのに、なぜダメなのか全くわからない」と不満を募らせ、7月14日に名古屋市内のホテルで行われた臨時大会で対応策を決議した。

 (1)12球団側に事前に提示金額を書面で通知するように求め、拒否された場合は12球団の選手が初回の交渉を保留するなどの対応策を講じる(2)12球団オーナーに対して、事前通知の拒否がオーナーの意思に基づくものかを確認する書面を送る。

 この(2)の決議に基づいて12球団オーナーと熊崎コミッショナーに文書を送付したのだ。もっとも、これなどはファン不在で12球団側、選手会双方に責任があるドタバタ劇だといえる。

 選手会側は「メジャーのように労使が対等に交渉できる選手会」との理想を掲げているが、根本的に無理がある。メジャーリーガーしか入会できない選手会とファームの選手も加わっている日本の選手会では事情が全く違う。

 1軍の選手と2軍の選手を一緒くたにして、闘うメジャー選手会のように対等な立場で労使協定を結ぶのは無理があるだろう。

 米大リーグのようにメジャー契約、マイナー契約と明確であれば、今回のような問題は起きない。一方、球団側もスペシャリストのゼネラルマネジャーがいるメジャーと、フロント首脳が親会社から天下ってくる素人が多い日本では天と地の差がある。

 提示金額の事前通知をめぐる今回のドタバタ劇は、選手会、球団側双方の問題点を浮き彫りにしたといえる。(江尻良文)

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