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【田代学 ダッグアウトの裏側】ヤ軍・ジャッジが苦しむ本塁打競争の弊害 脳裏に蘇った2009年

 ヤンキースファンの歯ぎしりが聞こえてくるようだ。13日までの本拠地3連戦で負け越し、ア・リーグ東地区首位のレッドソックスに5・5ゲーム差をつけられた。

 「本塁打競争は、このスランプに無関係だ。20打数1安打なら、何か原因があるんじゃないかといわれるが、それが野球だよ」

 地元メディアから、本塁打競争優勝が不振に影響しているのではないかと問われ、完全否定したのがアーロン・ジャッジ外野手(25)だ。身長201センチの右打者は今季大ブレーク。オールスター戦まで打率・329、30本塁打、66打点と3冠王を狙える数字を残していた。

 勢いに乗って球宴前日恒例の本塁打競争も制したが、後半戦はスランプに陥った。最近1カ月(計28試合)は打率・165、5本塁打、12打点で、46三振。「本塁打競争で優勝すると後半戦は苦しむ」という米大リーグのジンクスが、ささやかれていた。

 筆者の脳裏に蘇ったのは、2009年の本塁打競争だ。当時レイズの左打者、カルロス・ペーニャ内野手は1回戦で敗れたが、すべての球を流し打って5本の柵越えは中堅から左翼方向だった。通算286本塁打のうち243本が中堅から右翼方向という典型的なプルヒッターに翌日の試合後、理由をたずねた。

 「フォームを崩したくなかったんだ。本塁打を意識すると体の開きがはやくなる。逆方向へ打つことで右肩が開かないようにしたんだ」

 ペーニャは本塁打競争の悪影響を認め、スランプ防止策を講じたのだと説明した。流し打ちで柵越え5本は確かにスゴいが、これは本塁打競争であって打撃練習ではない。「理由は分かったけど、流し打ちでは勝てない。出るべきじゃなかった」と言ったら、「その通りだ。キミは正しい」と大笑いされたことを覚えている。

 ジャッジは14日のメッツ戦で7試合ぶりの36号を放った。スランプを抜け出し、本塁打競争のジンクスなど吹き飛ばしてほしい。 (サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長・田代学)

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