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巨人が必死の広陵・中村獲り 投手優先で去年逃がした“打てる捕手”はウエスタンで打率2位

 1大会6本塁打など夏の甲子園で数々の記録を更新し、今秋ドラフトの注目株となった広陵・中村奨成捕手(3年)。巨人も「特A」評価だが、実は昨秋“打てる捕手”を獲り逃していた。

 「手首のケガもあって県大会は打率1割台。もし甲子園に出られなかったら、ドラフト2位か、せいぜい外れ1位だったね」。巨人のフロント関係者はそう苦笑する。だが中村はひと夏で、1位競合クラスに化けた。

 先ごろ2000安打を達成した阿部が長らく扇の要を務めた巨人は、チーム編成における“打てる捕手”の恩恵を、どこよりも受けた球団だ。後釜の小林は打率1割台とギャップが大きく、レギュラーを担ってからチームはV逸が続いている。

 それだけに鹿取GMは早くから中村に注目し、ブレーク前から最上級の評価だったが、甲子園での大化けにより、1位で本指名でないと獲得は難しい情勢に。前出関係者は「こうなると改めて、去年のドラフトがもったいない」と振り返る。

 昨秋は捕手を1人も指名しなかったが、「スカウトだけでなく、選手の間でも『あれはいい』と評判になっていた」という有力候補がいた。日大三・坂倉将吾捕手だ。

 二塁送球1・8秒の強肩、高校通算25本塁打を誇る左の強打者。甲子園出場はないが、上位指名が検討された。だが1位のくじ引きで田中(創価大)、佐々木(桜美林大)と即戦力右腕を連続で逃し、内野手の吉川尚(中京学院大)に方針転換。2位以降で投手優先を余儀なくされ、坂倉は先に広島に4位で指名されたのだった。

 逃した魚は大きい。坂倉は高卒1年目にして、広島の2軍捕手で最多出場、打ってもウエスタン・リーグ2位の打率・304(8月23日)。巨人も高く評価した潜在能力を早速開花させている。

 広島は長く正捕手だったベテランの石原から、29歳の会沢に世代交代を進め、さらに19歳の坂倉までファームに控える充実ぶり。広島のスカウト陣が中村に対して、コンバートの可能性を見いだそうとするのも道理だ。

 巨人は鹿取GMがあくまで“打てる捕手”で将来を嘱望するが、中村との縁はあるだろうか。(笹森倫)

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