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「日本が一つになった」長谷部、決起集会でチーム束ねた 主将74試合、誰もが認める精神的支柱

 ■サッカー・ロシアW杯アジア最終予選B組(8月31日、日本2-0豪州、埼玉)

 主審の笛がロシア行きを告げた。左腕にキャプテンマークを巻いた長谷部誠(33)は両手を広げ、天を見上げ、喜びをかみ締めるようにほほえんだ。試合後はマイクの前で「日本中が一つになって取った(W杯の)切符だと思います」とスタンドに語りかけ、感謝の気持ちを表した。

 万感の思いでピッチに立った。3月にドイツ1部リーグの試合で右膝を負傷。メスを入れた。3、6月のW杯アジア最終予選3試合を欠場。その間もチームは必死に勝ち点を重ねた。W杯切符がかかる大一番が代表復帰戦になった。

 この日の豪州戦に間に合わせるため、リハビリを続けてきた。「こんな機会を整えてくれたことに感謝しないといけない」。フル出場で勝利に貢献した。2010年5月のイングランド戦から主将での出場試合数は今回で「74」。2位の宮本恒靖氏(40)を19も上回る。誰もが認める代表の精神的支柱だ。

 最終予選初戦だった昨年9月1日のアラブ首長国連邦(UAE)戦に1-2で敗れた。1998年フランスW杯以降、アジア最終予選の初戦に負けたチームの本戦出場はなく、メディアには「突破確率ゼロ」など辛辣(しんらつ)な言葉が並んだ。その2日後、次戦の開催地タイでハリルホジッチ監督(65)に直談判し、選手だけで宿舎近くの日本料理店へ繰り出した。「失ってはいけないのがお互いを信頼すること」。決起集会でチームを束ねた。

 不在の間は、DF吉田麻也(29)がキャプテンマークを巻いて務めを果たした。長谷部はスタンドから見守った。バトンは確実に次世代へと渡っている。

 自身3度目となるロシアでのW杯は34歳で迎える。鋭い読みや状況判断には、ますます磨きがかかっている。大輪の花を咲かせるつもりだ。(小川寛太)

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