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【ジェット桐生 9秒98】高3から始まった9秒台への闘い 室伏広治氏に師事して体幹強化、呪縛を解き放ち東京五輪へ全力 (1/2ページ)

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 毎年4月に広島市で開催される織田記念国際は、桐生祥秀(21)=東洋大4年=にとって忘れられない大会だ。

 京都・洛南高3年だった2013年。予選で当時の日本記録へあと0秒01まで迫る10秒01をマーク。一躍脚光を浴びた。

 そして、日本陸上界に衝撃を与えてから4年。0・3メートルの向かい風が吹いた今年の織田記念でも、桐生は10秒04の好タイムで優勝している。前日本記録保持者の日本陸連の伊東浩司強化委員長は、必死に走る桐生の姿に胸が張り裂けそうになる思いを禁じえなかった。

 「一人で9秒台を背負っているのかなと。織田記念のレースを見ていても、ちょっとかわいそうに思えたところは正直、ありました。もっと伸び伸びと彼の良さが出るように、われわれがサポートできなかったのか、というところは大いなる反省点かなと感じています」

 伊東氏も同じ経験をした。10秒00をマークした1998年12月のバンコク・アジア大会から、夢の9秒台突入への期待を一身に背負い続けた。使命感がいつしか重圧と化していった過程は、桐生の場合も変わらないだろう。

 ましてや、当時28歳だった伊東氏に対して、桐生は高校生から大学生への多感な時期に重圧と戦ってきた。「かわいそう」と表現したのは、桐生が4位に終わった6月の日本選手権後だった。この時は、こう付け加えてもいる。

 「私の経験でも、国内で一定のタイムを出せたら世界で試して、認められたいという思いがアスリートには出てくる。桐生君もちょうどその時期だったと思うし、そういう経験は必ず東京五輪に役立つはずです」

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