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豪栄道、優勝目前でよもやの3敗目…届かぬ遠隔操作 福岡の親方が電話→おかみさんが注意点指摘メモ

 ■大相撲秋場所13日目(22日、両国国技館)

 「気合を入れていくだけと思ったけど。全部が納得できない」

 埼玉栄高校の10歳下の後輩、貴景勝にはたき込みに敗れ、豪栄道が力なく話した。優勝目前でよもやの3敗目。2差で追う4敗組が呪われたように次々と敗れ、「勝てば優勝確率は85%以上」とある親方が言ったように、2度目の賜杯に大きく近づくはずだった。

 しかし、この期に及んで立ってすぐ引く悪癖を連発。揚げ句に左足が滑って、勝手につんのめってしまった。

 正面審判長として、土俵下に座っていた藤島審判副部長(元大関武双山)は苦虫をかみつぶした。「踏み込んで前に出るだけなのに、引いて自分の首を締めてしまった。前日の松鳳山戦も引いて追い込まれ、連敗でさらに追い込まれてしまった。情けない」

 11月の九州場所担当部長として、今場所初日から福岡市に長期出張中の師匠境川親方(元小結両国)は、豪栄道の取組を福岡国際センターにある先発事務所でテレビ観戦している。

 2差がついた11日目。「5日目の阿武咲戦あたりからあいつらしい、低く前に出る相撲になった」とうなずきつつ、優勝は「いや、まだまだ。勝負ごとは最後までわからんからね」と付け加えていた。

 その言葉通りの展開になったが、遠く離れた福岡にいるもどかしさ。そばにいれば直接、相撲の善しあしなどを伝えられるが、電話で話すのは違和感がある。そこで親方は気づいたことをおかみさんに電話して、そのメモを豪栄道に手渡すシステムをとっている。初優勝した昨年秋場所もこの方式で“遠隔操作”して全勝優勝につながった。

 「これもゲンかつぎ。崩したくないからね」と親方。この日はさぞ、メモが長くなっただろう。

 1差で追うのは日馬富士、朝乃山の2人。豪栄道有利は変わらないが、14日目の貴ノ岩に勝っておかないと、千秋楽で当たる日馬富士が息を吹き返しており厄介だ。「悔いのないよう、気合を入れてやるだけ」。その言葉を信じるしかない。

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