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巨人・沢村“はり麻痺”報道で業界9団体が質問状「業界全体が大変な驚きを持って報道を受け止めている」

 巨人・沢村拓一投手(29)の右肩不調が、球団トレーナーのはり治療で起きた可能性が高いとの報道を問題視して、鍼灸師の業界9団体が21日付で球団に質問状を送付したことが分かった。

 ホームページで公開された質問状は、全日本鍼灸学会ほか9団体による連名。「はり治療によって長胸神経麻痺が発生したとのことですが、業界全体が大変な驚きを持って報道を受け止めている」と所感を伝え、はり治療を受ける患者や家族、鍼灸師らに「大きな不安を与えている」と現状を説明。トレーナーと医師に対し、施術や診断の経緯など9項目への回答を求めている。

 球団は22日、読売巨人軍広報部名義で「現在、対応について検討しています」とコメントした。

 球団内の受け止められ方も複雑なものがある。当初から「はり治療のせい」という沢村の言い分に対しては、疑念の声が渦巻いていたからだ。

 沢村は春季キャンプ中の2月に右肩の異変を訴え、同27日にはり治療を受けた。回復が思わしくない原因が「施術ミスだ」と主張したが、球団側の慎重な対応に一時は法廷闘争も辞さないほどに態度を硬化させた。

 球団は複数の医師の意見を仰ぎ「長胸神経麻痺」との診断を得たが、その外的要因がはりだという因果関係の証明は極めて困難。それでも内ゲバの訴訟トラブルを避けたい球団上層部の判断から、トレーナーが泥をかぶり、9日に石井球団社長、鹿取GMとともに本人に謝罪するに至った。

 だが、医学的根拠が不確かな「はりで麻痺」報道が一人歩きして、鍼灸業界全体に波及するのは必然だったといえる。もはやこの問題は、巨人の中だけにとどまらない。