記事詳細

【桐生9秒98 土江寛裕コーチに聞く】世界陸上の個人種目代表逃がしどん底、敗因は『心』 「パッション切れ状態が続いた」 (1/4ページ)

★(3) 

 日本人で初めて100メートルを9秒台で駆け抜け、日本陸上の歴史を変えた桐生祥秀(東洋大学4年)。今季は春先から異次元の走りを見せていたが、9秒台を出す3カ月前にはどん底に突き落とされた。6月の日本選手権で10秒26の4位に沈み、ロンドン世界陸上の個人種目代表を逃したのだ。その要因を、入学時から師弟コンビを組む土江寛裕コーチ(43)は「自滅」と振り返る。(スポーツジャーナリスト 藤江直人)

 桐生の今季は南半球で幕を開けた。3月11日にキャンベラで行われた記録会で、いきなり10秒04の好記録をマーク。帰国後の4月23日の出雲陸上で10秒08、同29日の織田記念で再び10秒04を出した。国内の2レースは、いずれも向かい風の悪条件下でたたき出された。

 「9秒台は簡単に出せる、と思いました」

 昨季までとは次元の違う走りだった。師弟コンビを組んで4年目を迎えた土江コーチも、アベレージが10秒0台に近づいたという手応えを感じずにはいられなかった。

 桐生が希望するトレーニングを中心に、必要な時に土江コーチが新たなアイデアを示す。オフに師事したハンマー投げの五輪金メダリスト、室伏広治氏と取り組んだ体幹トレーニングは走りをさらに安定させ、ボクシングのパンチ練習で体に覚え込ませた骨盤を前に出す動きは、縦に力強く刻まれる独特のピッチにストライドを加えさせた。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース