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【高校野球 新・名将列伝】花咲徳栄・岩井隆監督は“魔法の言葉”を操る理論派 足の震えが止まらなかった甲子園初采配 (1/2ページ)

★花咲徳栄・岩井隆監督(2)

 2001年(平成13年)、恩師・稲垣人司の急逝で巡ってきた監督の座。32歳だった岩井隆(47)は身震いした。稲垣は前年10月に練習試合の最中にベンチで倒れ、そのまま帰らぬ人となった。岩井は、選手たちが負った精神的な傷を癒し、なおかつ、勝たなければならない使命を負った。

 稲垣が育てた選手たち、根元俊一(現ロッテ)らを率いた岩井はこの夏、学校初の甲子園出場で責任を果たした。

 大舞台でも1回戦で宇部商(山口)に12-0で大勝。その16年後に全国制覇監督となる男の甲子園初采配は、試合が終わるまで「足の震えが止まらなかった」。

 日大三(東京)との2回戦は逆に4-11の大敗だったが、グラウンドを引きあげるときに耳に届いた、スタンドからの「また来いよ」という声に感激した。

 2年後の03年(同15年)春に2度目の甲子園。ここで監督・岩井と花咲徳栄の名を全国にとどろかせた。稲垣譲りの理論派で鳴る岩井は、この頃から話し上手。選手の緊張を解く“魔法の言葉”を巧みに使った。

 初戦(2回戦)は「苦しくなったらベンチを見ろ。仲間がいる。1人で舞台に上がったなんて思うなよ」と送り出し、秀岳館(熊本)に延長13回サヨナラ勝ち。

 東北(宮城)の剛腕、あのダルビッシュ有(現ドジャース)に挑んだ3回戦の前夜は、「147キロって本当か? いつ、どこ相手に投げたか、本人に聞いてこいよ」と言って笑わせた。結果は9-9の9回裏に、またサヨナラ勝ち。

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