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【柏英樹の勝負球】10・8ナゴヤ決戦秘話、ミスターが抗議やめたワケ 巨人・川相の本塁打が誤審で三塁打に (1/2ページ)

 10月の声を聞くと思い出す。23年前の1994年10月8日は、ペナントレース最終戦でセの優勝が決まるという歴史的な日となった。中日と巨人が同率首位で対戦した“10・8ナゴヤ決戦”である。勝った方が優勝という緊迫の戦いの中で、勝敗を超えた友情シーンがあったことはあまり知られていない。

 10・8に関してはさまざまなエピソードが残っている。試合当日、宿舎出発前に巨人・長嶋監督が選手を前に「勝つ、勝つ、勝ぁ~つ!」と3度絶叫したことは有名だ。

 この試合は、巨人が序盤からリード。6-3で迎えた9回表、先頭の川相昌弘の打球はバックスクリーン左に飛び込み跳ねた。ダメ押しのソロホームランだ。ところが、二塁の塁審はフェンスに当たってはね返ったと見て、三塁打となった。

 テレビのビデオ映像は何度も打球がフェンスを越えるシーンを映し出している。当然長嶋監督はベンチを飛び出し、血相を変えて二塁塁審のところへ猛ダッシュした。

 「この抗議は長引くぞ」。誰もがそう思ったが、長嶋監督は二塁塁審と二、三言話すと、あっさりきびすを返しベンチに戻ってしまった。

 優勝決定後のインタビューで、長嶋監督は「ああ、あの抗議ですか。せっかくウチにいい流れだったので、中断でそれを壊したくなかったもんで」と理由を説明した。

 だが、本当はそうではなかった。

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