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恩師が明かす清宮プロでも成功するワケ 腰椎骨折、バット振れなくても折れなかった心

 プロ野球ドラフト会議(26日)の目玉で、高校通算111本塁打を誇る早実高・清宮幸太郎内野手(3年)。プロでどこまでやれるか見ものだが、中学時代の恩師である東京・調布シニアの安羅岡一樹監督(55)は最高峰での活躍にも太鼓判を押す。

 「初めて彼を見たのは中学1年の秋。2012年のことでした」

 安羅岡監督はちょうど5年前を懐かしそうに振り返る。北砂リトル時代にリトルリーグ世界選手権優勝に貢献した天才少年だが、1年秋に入団したシニアでは「地獄だったと思います。ケガで本当に何もできなかったですからね」

 中学2年の2月、自らのスイングの強さに成長途中の体が悲鳴を上げ、腰椎を骨折。6月の終わりまでバットを振ることができなくなった。

 「特別扱いはするべきではないと考えていました。他のケガした選手と同じように接していました」と安羅岡監督。

 グラウンドの隅で腕立て伏せなど地味なトレーニングを続け、チームのためにできることといえばボール拾いくらい。

 「『トレーニングが終わったらボール拾いをやっとけ!』って言ったら、『はい! よっしゃー』なんて声を出しながらボールをかき集めてましたね。ふて腐れる姿は一切みせない。素質があっても、ケガをした中学生って諦めてしまうことも多いんですけど、そんなことは全くなかった」

 スイングはもちろん、ボールも投げられない中でも、チームの練習には欠かさず参加し、試合では用具の整理整頓を進んで行う清宮の姿に、安羅岡監督は「こういう選手が他よりもうまくなっていくんだろう。彼はもっと上のレベルでも成功する」と確信したという。

 拓大一高、拓大と野球の名門を進み、指導者としても多くの好プレーヤーを目の当たりにしてきた安羅岡監督だが、「あんな選手は他に見たことがない。プロ志望表明のときに、王さんの868本塁打を目指すと言ったが、そこへの挑戦を考えても(高校から)直接プロへ進むのはよかった。40本塁打を20年間続けても届かない記録なんだから、4年間は長いよね」とみる。道は果てしなく長く、険しいが、恩師は活躍を疑わない。 (片岡将)

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