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【今季限りヤクルト退団 伊藤智仁はこう見た】鷹・柳田の「足」が勝敗決した 見せつけたホークスの真骨頂

★日本シリーズ第3戦(10月31日)

 1回にソフトバンクの先頭打者、柳田悠岐外野手(29)が決めた盗塁が、後々まで大きく効いた一戦でした。

 両軍の先発の状態を比べれば、DeNA・ウィーランドの方がソフトバンク・武田よりも明らかに上でした。直球、変化球とも一級品。シーズン中から他球団にとっては、いかに足でかき回すかが攻略のカギでした。

 柳田は安打で出塁すると、2番今宮の初球ですぐさま二盗。犠打で三進します。3番デスパイネは倒れましたが、4番内川がさすがの技術を披露。ウィーランドの特徴的なカーブに初見でしっかり対応し、3試合連続の先制に成功しました。

 4回の追加点も、走者を背負ったウィーランドの集中力不足から。1死から一走を意識しすぎて逆球が続き、7番明石に中前打でつながれて一、三塁に。ここからホークスが真骨頂を見せます。

 8番高谷はセーフティースクイズをファウルにして失敗。ベンチの工藤監督は即座に作戦を変更し、一走明石が二盗を決めます。1死二、三塁となり、DeNA内野陣が前進守備を余儀なくされると、定位置ならば併殺打でもおかしくない高谷のゴロ打球が二遊間を破り、決勝の2点適時打になりました。

 こうした柔軟な戦い方ができるチームは、セ・リーグでは広島くらいでしょう。走れるだけの選手はどの球団にもいますが、さらに打って守れるスタメン級の選手をそろえ、1人1人の意識を高めて実践に移すという、チームとしての完成度の高さを見せつけました。

 逆にDeNAは初回に四球で出塁した2人が、ともに二盗失敗。相手バッテリーを楽にしてしまい、以降は足を絡める攻撃が鳴りを潜めました。

 ■伊藤智仁(いとう・ともひと) 1970年10月30日生まれ。150キロ超の速球とプロ野球史上最高といわれるスライダーを武器に93年新人王。2003年限りで引退後、1、2軍の投手コーチを歴任。

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