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プロ野球の避けられぬ「学閥」忖度 巨人のプロテクトリストは…名門色薄い選手は補償流失の憂き目に

 プロ野球のストーブリーグは、学閥のしがらみに支配されている。

 日本ハムからFA宣言していた大野奨太捕手(30)が9日、中日入りを表明した。おひざ元の岐阜県出身だけに、中日はアマ時代からマークしていたが、2008年のドラフトでは指名できない事情があった。東洋大の先輩で同じ捕手の田中が、2年前にドラフト希望枠で入団。“共食い”を避けねばならなかったからだ。

 だが期待に反して、田中は1軍定着に至らず14年オフに戦力外。皮肉な形ではあるが、中日が“恋人”の大野を迎え入れる障害はなくなった。

 FAが抱えるリスク、人的補償にも学閥への配慮は欠かせない。阪神は10日、横浜DeNAにFA移籍した大和内野手(30)の補償として、昨秋ドラフト6位で1年目から2軍で抑えを務めた尾仲祐哉投手(22)に白羽の矢を立てた。プロテクトリストを受け取った翌日のスピード決定が、いかに掘り出し物だったかを物語る。DeNAにとっては痛恨だろう。

 だが、28選手限定で補償対象外とするプロテクトリストは、単純な実力本位で選べない。有力選手の輩出に定評がある強豪校、社会人チームの出身選手をFA補償で流失させれば、心証を害して今後のドラフト戦略に支障をきたす。地域密着を進める以上、地元の名門である横浜高、東海大系列のOBはプロテクトから外せない。しがらみの多い人選で、地縁の薄い広島経済大出身の尾仲を守りきれなかったというわけだ。

 これからプロテクトリストを提出する球団は、“尾仲ショック”を他山の石としたいところ。西武からFAの野上亮磨投手(30)を補強した巨人は、12球団最多を独走する11人目の補償流失が濃厚だ。頭が痛いことにピークを過ぎた功労者のベテラン、特約付きで加入したFA戦士ら、守らねばならない選手も多い。球団内でささやかれる補償候補はやはり、名門の威光にあずかれない若い投手ばかりだ。

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