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【田代学 ダッグアウトの裏側】松井氏を見限るのは早かったが…エンゼルス・ソーシア監督の素顔 近年の監督とは異なる独裁タイプ

 取材してみると、イメージや評判とは違う人がいる。米大リーグ・エンゼルス入りを決断した大谷翔平投手(23)の入団会見に同席していたマイク・ソーシア監督(59)は、筆者にとってそんな人物だった。

 2009年12月、ソーシア監督はヤンキースからFAになった松井秀喜とロサンゼルスでランチを共にした。DHに固定されていたワールドシリーズMVPを「外野手としても起用する。全試合に出てほしい」と口説いて獲得した。

 それなのに見限るのは早かった。10年の松井は好不調の波が激しかったとはいえ、本人にも理由を説明せずにスタメンから外したり、屈辱的な“右の代打を出すための代打”に使ったりした。振り返れば、松井がプレーした6監督(代行を含む)の中で会話が最も少なかった。

 選手とのコミュニケーションを重視する近年の監督とは異なる独裁タイプ。コーチとして2002年の世界一を支えたジョー・マドン(現カブス監督)やバド・ブラック(現ロッキーズ監督)らが去り、監督と選手をつなぐパイプ役がいないことも10年以降で1度しかポストシーズンに進めていない要因だろう。

 采配について問われることも語ることも好まない。10年のシーズン中には、ある番記者の取材を拒否。質問されてもスルーしていた。原因とされた批判的な記事は、手厳しいニューヨークのメディアなら普通の内容。担当するまでの期待が大きかっただけに、筆者の失望は深かった。監督通算1570勝はジャイアンツのブルース・ボウチー監督(62)に次ぐ現役2位(歴代22位)だが、その後は「知将」とは書かなくなった。

 ベテランだった松井に対し、大谷はまだ成長期にある。「もちろん二刀流としてプレーさせるつもりだ。それは間違いない」と会見で約束した同監督。早々と二刀流を見限ることなく、育ててほしい。(元全米野球記者協会理事・田代学)

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