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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】元日本代表・鈴木隆行の伝説的“つま先ゴール” 長すぎるパスも諦めぬ泥臭さ

 2002年W杯日韓大会の1次リーグ・ベルギー戦で同点ゴールを決めたFW鈴木隆行(41)が、13日に引退試合を行いました。最後に所属したJ2水戸のスタジアムには1万人近いファンが集まり、会場の周囲は大渋滞が起きたそうです。

 鈴木といえば、あのべルギー戦(02年6月4日)での伝説の“つま先ゴール”ですよね。日本がW杯史上初の勝ち点1を奪う、貴重な一発になりました。最後まであきらめない、実に泥臭いゴールでした。

 先制された後半14分、MF小野伸二(現札幌)はボールを奪うと、中盤をあえて無視して前線へロングボールを出しました。このパスは少し長過ぎましたが、鈴木は最後まであきらめず、GKの手前に落ちてきたボールに対し、体勢を崩しながら足をいっぱいに伸ばして、右足のつま先に当てました。ボールはGKの右脇下を抜きゴールネットを揺らしたのです。

 プロのサッカー選手に「泥臭いゴール」を決めようと思ってやっている人はまずいません。今の日本代表でははFW岡崎(レスター)の専売特許です。しかし岡崎もそれから脱却するために懸命な努力を重ねています。

 鈴木のゴールも結果論に過ぎず、本来は小野のロングボールを予測して、もう少し早く決めやすい位置にいれば、タテパス一発のビューティフルゴールとして決まっていたはずです。

 鈴木は鹿島を筆頭に、海外を含め多くのクラブを渡り歩きました。11年には震災に苦しむ地元J2水戸に「アマチュアとして契約してください」と自分でスポンサーを探してきて入団した、男気のある選手でもありました。

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。

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