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【川崎フロンターレ・憲剛の言葉】すべての始まりは小林悠への主将禅譲 「お金に換えられないものを、もらってきたんじゃないのか」 (1/2ページ)

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 昨季のJ1は最終節で奇跡の大逆転劇を演じた川崎フロンターレが、悲願の初タイトルを獲得した。いぶし銀の輝きを放つバンディエラ(同一チームに在籍し続けるリーダー)で、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督もひそかに注目する、37歳のMF中村憲剛が残した言葉の数々を振り返り、連覇がかかる新シーズンを前に改めて優勝までの足跡を再現する。 (スポーツライター・藤江直人)

 主将の座の禅譲からすべてが始まった。ちょうど1年前。宮崎・綾町でのキャンプを前にしたミーティングで、川崎の新キャプテンにFW小林悠(30)が指名された。2007年からほとんどの試合で左腕にキャプテンマークを巻いてきたクラブの象徴、中村憲剛から歴史が引き継がれた瞬間だった。

 ミーティングの前に鬼木達新監督から相談を受けた中村は、「そうするべきです」と笑顔で快諾している。

 「すごくうれしかったですよ。何も言われずに交代となれば、選手としては『何だよ』となるかもしれない。オニさん(鬼木監督)は僕の意見もしっかり聞いてくれたし、最高の形でバトンを渡せたと思っています」

 この時点で、中村は大仕事を終えていた。16年のオフ。小林の下にはガンバ大阪、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸など複数のクラブからオファーが届いていた。破格の年俸を提示してきたクラブもあったが、最終的には残留を決断した。

 小林から相談を受けた中村は「お金には決して換えられないものを、川崎というクラブでもらってきたんじゃないのか」と残留するだけでなく、新キャプテンも務めてほしいと熱く訴えた。

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