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【田代学 ダッグアウトの裏側】“選手と同じ”グラウンドキーパーにも「殿堂入り」資格あり 華麗なプレーが生まれる舞台を用意しているのは彼ら

 米大リーグの裏方にスポットライトが当たった。「殿堂入りグラウンドキーパー」が18日(日本時間19日)に発表されたからだ。

 「殿堂入りなんて想像したこともなかった。言葉で言い表せないほどの名誉だ。残りの人生の誇りにしていきたい」

 こう受賞の喜びを語ったスティーブ・ワイトマン氏は、屋外で働きたくなり銀行員から転職。2012年にリタイアするまで約39年、デンバーやサンディエゴの球場整備に力を注いだ。

 だが、同じ「殿堂入り」でも、24日(日本時間25日)に発表された米野球殿堂入り選手とは相違点が多い。

 選手は文字通り、ニューヨーク州クーパーズタウンの殿堂内にレリーフを掲げられ、盛大な式典も催される。一方、グラウンドキーパーは総会での表彰。トロフィーに名前を刻まれ、スピーチをする程度という。

 2012年スタートと歴史が浅く、投票権は現役のグラウンドキーパー全員が保持。関係者内の表彰レベルで、クーパーズタウンの殿堂に入れるわけではないのだ。

 選考方法が異なっていても、華麗なプレーが生まれる舞台を用意する彼らのような裏方にも殿堂入りの資格はあると思う。選手とは別室でも構わない。せめて同じ殿堂に入れるようにならないものだろうか。1999年に女性初のヘッドグラウンドキーパーとなり、2012年にインタビューしたタイガースのヘザー・ナボズニーさんは、未来の有力候補だ。

 19日付サンケイスポーツ最終面の特集記事『ザ・ミュージアム』では、甲子園球場を支えて30年目となる「阪神園芸」を取り上げた。昨年10月のセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは悪天候の中で3試合を成立させた。聖地を守る匠も、殿堂入りさせたくなる。(元全米野球記者協会理事・田代学)

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