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初優勝目前の栃ノ心が4年前見た“地獄” 尾車親方「よくここまできたよ」

 ■大相撲初場所13日目(26日、東京・両国国技館)

 栃ノ心が初優勝へ大きく前進した。右四つがっぷりから、重い逸ノ城を向こう正面に寄り切り1敗を堅持。対照的に鶴竜は御嶽海に一方的に押し出され3連敗となった。

 「風呂が大好き」というだけあって、支度部屋の風呂にゆっくりつかった栃ノ心。「自分の相撲が取れてうれしい。上手が取れたので出ていった」と、湯上がりのさっぱりした表情で取り口を振り返った。

 かつて、人気力士のレコーディングが盛んだったころ、大関琴風(現尾車親方)の「まわり道」がヒットした。

 関脇から前頭筆頭に下がった昭和53年九州場所の麒麟児戦で、左ひざじん帯を断裂。翌54年初場所の金城戦で同じ箇所を痛めた。当時は公傷制度があったが、「古傷は認められない」と適用は見送られた。「ケガに変わりないのに」と協会に批判が殺到したが、3場所後の名古屋場所では幕下30枚目まで急降下した。

 部屋では関取用の個室から若い衆と同じ大部屋に移り、ちゃんこでは給仕番、師匠の付け人として重いトランクの持ち運びも務めた。

 そこから、はいあがってまさに「まわり道」の大関昇進。その再現を目指しているのが栃ノ心だ。右膝じん帯を痛め平成26年初場所に幕下まで落ちている。

 「私の場合、幕下落ちはまだ、はたちちょっとで先があったが、栃ノ心が落ちたのは27ぐらいじゃなかったの。あきらめてもおかしくないのに、よくここまできたよ」と元祖“地獄を見た男”尾車親方も、栃ノ心にエールを送った。

 出産のためジョージアに帰国しているニノ夫人とは電話で戦況報告の毎日。「いろいろ気を使ってくれているけど、オレよりドキドキしているみたい」とにっこり。国技館から徒歩7、8分の春日野部屋まで、毎日大勢の報道陣やファンを引き連れての帰路は、優勝パレードの予告編といったところだ。

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